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メーンバンクの裏切りで「返済月額減」しかし「金利上昇」
2010年7月16日
バブル崩壊後、金融機関の貸し渋りや貸しはがしが指摘され、千葉県の事業者も資金の調達に奔走していた。そんな中で、唯一、手を差し伸べてくれた金融機関があった。地方銀行だが、まさに救いの神。急場をしのいだ同社はその後、厳しいながらもやりくりしてきた。当然、その地方銀行は同社のメーンバンクとなり、信頼関係を築いていく。しかし、その信頼が裏目に出てしまい、メーンバンクに裏切られた思いを抱いた同社社長は、なりふり構わぬ金融機関の姿勢にやりきれなさを感じ、距離を置こうとしている。
「苦しいときに手を差し伸べてくれたことは、今でもありがたいと思っている」と振り返る同社社長。それ以降、その地方銀行は必要不可欠な存在となった。自前の事務所を構える際も当然、メーンバンクから借り入れを行った。完全に信頼関係を構築していた同社社長にとって、取引銀行はほとんど1行のみ。それほど、信用していただけに、メーンバンクの担当者の提案を、疑いなく聞き入れていた。
今年になって担当者から同社社長にある提案があった。いくつかの借り入れを整理し、毎月の支払額を減らそうとの内容だった。「荷動きが悪く厳しい経営環境にあって、月々の返済が楽になる提案は渡りに船」という同社長は、その担当者を信用して了承した。
1月で契約が完了し、新しい形での返済がスタートした。しかし、半年が過ぎて、契約内容を見直した同社長は愕然とした。確かに毎月の返済額は減っていたが、金利は以前よりもかなり高く設定されていた。支払い総額は増えるが、返済期間を延長することで、毎月の支払い額を減額させていたのだ。
驚いた同社長は担当者に連絡し、契約内容を確認した。担当者は「金利のことも説明し、社長が納得した上で契約を結んだ」と主張した。もちろん同社長はその場で激怒したが、すでに契約を結んでいるため、撤回はできなかった。
同社長は「1行に頼りすぎた結果。人を信用しすぎる自分自身が情けない」とこぼすが、「メーンバンクというのは、顧客にとってよりよい提案をするのが本来の姿。こんな騙すようなことをされるとは、思いもよらなかった」と納得できない様子だ。 (高田直樹)
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