ある会社の社長が、税務署からきた「税務調査に伺いたい」という連絡に憤っています。

　実は４年前にも税務調査があり、仕事を持ち帰っていることを理由に、自宅の光熱費を会社の経費として計上していたことを、「一部しか認められない」と言われて修正し、追徴金を払いました。それ以後はこの光熱費の計上をやめています。

　社長は「ちゃんと改めて真面目にしてるのに、なぜまた調査されるのか？」と疑問を抱いています。会社はここ数年、黒字決算です。しかし、社長の給料が未払いとなっており、資金繰りは苦しく、本当は赤字でした。社長は赤字決算がどうしても嫌で、自分の未払い給料を放棄し、債務免除益として決算で雑収入として計上。わずかな黒字となったおかげで、金融機関から融資が受けられました。

　社長は金融機関に決算書を提出したとき、「黒字の決算書を久々に見ましたよ」と言われたことを思い出しました。

　「赤字ばかりのなかで珍しい?黒字の会社?だから、自分の会社に税務署が来るのでは？」と結論を出した社長は、「こんなことになるなら、融資が受けられなくても赤字決算のほうがまだ良かった。資金繰りよりも、税務署が来るほうが嫌だね」と悔やんでいます。