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    飲酒チェックも大事だが…まず点呼を確実に

    2010年9月9日

     
     
     

     「夜間・早朝に専従者を置けばいい? 教科書通りのことは、言われなくてもわかっている」。点呼時の飲酒チェックが義務付けられる来春を見据え、アルコール・チェッカーの機種選択に悩む物流業界関係者の姿が多く見られる。一方では「チェッカーを選ぶ以前に、まずは点呼が100%ではない現状を憂慮すべき。点呼が難しいということは、飲酒チェックの完全実施が不可能であることを意味する。重大事故で立ち入り監査があれば、深刻な事態となることは避けられない」と、現場に危機感を募らせる関係者も少なくない。



     広島市の物流会社は今春から、点呼も含めたドライバーとの連絡に携帯電話のメール機能を活用している。「はっきりいって点呼は完璧ではない。ただ、『おはようございます』という短い会話のために電話をかけさせるのもバカげているし、メールならドライバーとのやり取りが残せるメリットもある。法律が求める内容に沿っていないことは承知しているが、何もしないよりはマシ」と社長。こうした考えの経営者が増えつつある。

     兵庫県姫路市の物流会社でも7月から、事務所が無人となる時間帯のドライバー管理にパソコンを活用。「ドライバーの休憩室に置いたパソコンにはカメラも取り付けてあり、出社(出発)時間や飲酒チェックの様子も記録される。対面点呼でなければ無効かもしれないが、いまはITの時代。最優先すべきは安全管理の徹底であり、うまく活用する方法を業界から提案できないものかと思う」と話す。

     こうした動きの裏には、来春から点呼に飲酒チェックがセットされる問題がある。「対面だけでなく、電話点呼も含めて完璧な運送会社があるのか。出たきりのドライバーには運行指示書を持たせるルールも、次はどこへ走るかわからないなかで、何の意味があるのかと思うが、頭から無理と放置すれば事業停止になる時代。できるだけはやっておかないと、あとで大変なことになる」と神戸市の物流社長。

     保有するトラックは20台ほどだが、このほど「夜間の点呼専従者を配置した」という岡山市の物流会社。詳しく聞くと「幹部を含め、内勤社員が交代で深夜勤務に就く」と社長。「割増賃金の問題も絡んで頭は痛いが、そうかといって放っておけない。地元でも重大事故に関連して、物流会社の管理責任が厳しく問われる事件が起きている。とにかく、やれるだけやらないと…」という。

     一方、前出の姫路市の社長は「後追いで行政に認めさせる…そんな気持ちで業界が取り組むことが大切。仮に行政が認めない内容であっても、安全につながる独自の取り組みを業界主導で進めることが、法律を変える契機になるかもしれない」と指摘。そのうえで「点呼が確実にできているなら、飲酒チェックなど気にすることもない話。飲酒管理に気を取られすぎ、点呼がおろそかになれば本末転倒」と話している。(長尾和仁)

     
     
     
     
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