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適正運賃乱す不正軽油 単純な混合油が出回る
2010年9月16日
景気の低迷で違法と知りながら、経費を少しでも削減し利益を上げようと、安値の燃料を求める運送事業者も存在するようだ。大阪府和泉市に本社を構える海コン輸送事業者によれば、最近、大阪市住之江区付近で安値の燃料が出回っており、正規価格よりリッター当たり約10円安い70円半ばで販売されているという。同社は「不正軽油を利用する運送事業者が、安い運賃で輸送しており、適正運賃を乱している」と説明する。
大阪府に本社を構えガソリンスタンドなどを経営する会社では、「一部で不正軽油(船舶用重油・通称ホワイト重油)の利用があり、警察や府税事務所などが調査を開始しているという情報は聞いている。不景気や原油高になると、どうしても不正軽油が出回ることが多いようだ」と説明する。また、運送事業者などに燃料を販売する業者によれば、「単純な混合油(軽油と灯油・重油を混ぜたもの)が出回っているようで、価格は正規物と比較して10円程度安く、不景気とともに増加している。軽油価格が上昇していた時期は、薬品(硫酸ピッチで精製)を利用した不正軽油や輸入油を利用した大がかりな設備を用いた不正軽油が販売されていた」と説明。「最近は、2台のタンクローリーをドッキングさせて重油と軽油を混ぜ合わせて行うなど、単純な不正軽油が出回っている」と話す。
不正軽油を取り締まる大阪府税事務所の担当者は、「統計は取っていないためわからないが、平成11年や12年に目立った輸入物や硫酸ピッチを利用した不正軽油製造などは、ここ数年発生していない。最近では軽油に灯油や重油を混合した単純不正軽油が存在している」とし、「情報によれば、設置したコンテナの中にタンクを構えて、軽油と灯油・重油を混ぜるなどの行為を行う運送事業者が存在するようだ。当事務所では消防や警察、地域住民から情報を収集し、調査や告発なども行っている。最近では内部告発も増加しており、不正軽油利用を阻止する動きも見られる」と話す。(佐藤弘行)
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