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消えゆくドライバー 「運送業」希望者も減少
2010年9月29日
少子高齢化の波が物流業界にも及んでいる。「トラック運転者の年齢構成比の推移」(平成21年度版トラック輸送産業の現状と課題)で見ると、中・小型トラックでは平成5年に37.8%を占めていた20歳台のドライバーが、同21年には12.7%まで減少。大型も同5年には15.1%だったものが、同21年には4.7%まで大幅減少。少子化に浸食されているのが物流業界の現状のようだ。
「以前から運送業に従事したいという若者は少なかったが、最近は、それがかなり顕著になってきた」と話すのは、京都市のハローワーク西陣・若年相談センターの担当者。「京都府の南部地域だけで求職者が3万6200人(7月現在)いるが、物流関係の希望者は1310人」という。さらに「そのうち、34歳以下の若年者は246人。最近の若者の運転免許はオートマ限定が多く、運送会社に紹介できないことも多い。オートマのトラックもあるとはいえ、一般的とは言えませんから…」と指摘する。
また、京都府警運転免許試験課の牛田哲広警部は「大型免許の受験者が激減したのは、中型免許が創設されたことはもちろん、若者のクルマ離れが広がっているようだ」と指摘。「昔は免許をとったらスポーツカーや外車に憧れたものだが…」と話す。
京都府下でも、「大型免許の受験者数は、ここ10年では平成16年の5059人がピークで、中型免許創設の同19年には3703人。同21年には1204人となった。中型免許を創設したからといって、大型免許の受験が難しくなったわけではない。そもそもトラックによる重大事故を防ぐ目的の中型免許だが、中型免許の受験者もそれほど伸びていない」という。
現在はドライバー不足が深刻化しているわけではないが、このままでは「荷物とトラックはあるが、ドライバーがいない」事態にもなりかねない。ドライバーが消えてしまう前に手を打つ必要があるのでは、と懸念する声もある。(小西克弥)
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