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「実態把握?」中小運送会社に 金融庁総務企画局長らが訪問
2010年10月4日
景気の低迷による物量の減少や運賃低下など、中小・零細規模が大半を占める物流事業者では経営状態は厳しく、事業者の中には、銀行などの融資について、返済猶予や条件変更を行う事業者も存在する。それでも厳しい経営の物流事業者も多く、銀行などからの貸し渋りを受ける事業者もあるようだ。そんななか、大阪市平野区の物流事業者に銀行からの案内で、近畿財務局金融監督官と金融庁総務企画局長が直接訪問し、現状を調査されたという。
調査を受けた物流事業者によると、「金融庁の総務企画局長が、わざわざ中小・零細の物流事業者を訪問することは、ただごとではないと思った。調査は、財務内容などを聞くとともに、銀行取引の現状などを簡単ではあるが、われわれの話を熱心に聞いていた」という。さらに、「最近では返済猶予や条件変更などで新たな融資が受けられず、貸し渋りなどの問題も存在しているため、国の機関がそういった問題がないか直接、監督下にある銀行ではなく事業者の実態を把握するために行ったものではないか」とし、「国は中小・零細企業の経営安定を図っていると政治家からも聞いており、今後、融資などの資金状態を把握してから実態を考えるのかもしれない」と語る。
中小・零細企業の経営状態や融資状態を把握するために、企業への訪問を積極的に行っているのか、近畿財務局に聞いてみると、担当者は「円滑化の観点から直接、企業を訪問するケースはある。調査の内容については健全経営が行われているのか、さらに金融機関などが適正な判断を行っているのか確認する意味もある」と説明。「金融機関は適正な判断ができなければならない。貸し渋りなどの認定も行っているが、中には貸し渋りと言えない問題もある。融資先や金融機関で適正な融資などがなされているかを調査している」と説明している。
金融機関の中には、でたらめな経営状態の事業者に融資して、揚げ句の果てには計画倒産して貸し倒しとなるケースも少なくない。一方で、融資が適正に受けられない事業者も存在する。中小企業が適正に事業運営できるためには、行政の細かな調査が不可欠とも言える。(佐藤弘行)
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