-
トピックス
処分される会社、されない会社(8)増える抜き打ち監査
2010年12月7日
前回までは「一発営業停止」になる六つのケースのお話をしました。これらをしっかりと理解し、現状できる限りの対策を施しておくことが運送会社の?最低限?かつ?最優先?の安全対策です。
この一発営業停止の対策ができたところで、次に取り組むこと。それは個々の法令違反を改善していくことです。これが「累積営業停止」の予防につながります。地味な取り組みですが、実は一番重要です。というのも、最近、国交省は「抜き打ち監査」を実施しています。私の顧問先の運送会社でも、数件の抜き打ち監査がありました。
抜き打ちですから、何の予告もなくある日突然、会社に国交省の監査担当者が訪問し、点呼簿や運転日報、タコグラフ、賃金台帳などたくさんの帳票類をチェックしていきます。
そして、ここが重要な点なのですが、抜き打ち監査で?1件でも?法令違反が発覚した場合、いきなり「行政処分」になってしまうのです。
「えっ!」と思われるかもしれませんが本当の話です。おそらく運送会社が想像しているのは、トラック協会(正式には適正化実施機関)の「巡回指導」ではないでしょうか。
この巡回指導は?指導?ですし、国交省の監査ではないので、違反が発覚したからといって、いきなり行政処分にはなりません。(もっとも、違反が悪質な場合や改善見込みがない場合には、国交省に通報されることはあります)
過去に巡回指導で、このような経験をしている社長さんが多いため、「抜き打ち監査もそんなに厳しくないだろう」と勝手に思ってしまうのかもしれません。そのため、「監査で指摘されてから改善すれば、何とかなるだろう」と安易に考えてしまうのです。
今回、抜き打ち監査があった顧問先の運送会社の社長は、このことをよく理解していたので、若干の軽微な法令違反は指摘されたものの、大筋でOK! の結果となりました。
まさに、日頃の安全管理がしっかりできていたからです。「処分される会社、されない会社」とは結局のところ、「日頃の安全管理ができる会社、できない会社」の違いということですね。
-
-
-
-
「トピックス」の 月別記事一覧
-
「トピックス」の新着記事
-
物流メルマガ