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過労死を防ごう 業務分散して負担軽減
2011年1月14日
景気低迷にもかかわらず運送事業者では、人手が不足するなど経営者への負担も多いようだ。大阪府堺市の事業者でも、年末の繁忙期に社長自ら車両に乗り込み輸送業務を行っていた。普段から同社社長は車両に乗り、先頭に立って業務を行っていたが、昨年末に配送先で荷物の積み下ろしを行っていたときに心筋梗塞を起こし、そのまま亡くなった。業務多忙に加え、寒い時期であることから最悪の事態となったようだ。
これが社員やドライバーとなれば、労災問題にも発展しかねない。中野経営労務相談室の中野嘉之氏は「これまでも顧問先などで、ドライバーが突然脳梗塞を起こし、労災になるケースもあった。もっとも事業者にとって厳しいのは、労基署の調査で労災認定を行うため、1か月間の平均時間外労働の調査がなされ、違反行為があれば会社に責任がおよぶ可能性もある」と指摘。また、「違反行為が高ければ事業主に対して、労災保険料の事業主負担やペナルティーなども存在することから、繁忙期など人材不足というだけでドライバーに負担を強いるのではなく、出来るだけ負担を軽減する形での業務遂行が重要だ」と話す。さらに、「労基署が労災を認定するには一定の基準が必要で、1か月の調査で原因がわからなければ半年などとさかのぼって時間外労働の調査を行う」とも説明。中野氏が語る通り、業務の分散化を極力図り、一人に対しての負担を軽減する必要があるようだ。
今回、亡くなった社長の親族は「突然のことでどうしていいのかわからないが、社長が築き上げた会社を守り続けていくだけ」と話している。(佐藤弘行)
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