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繁忙期が過ぎれば豹変 モラルなき荷主に怒り
2011年1月25日
繁忙期に荷主から泣きつかれ、ようやく探したトラックだったが、繁忙期が終わると荷主の態度は豹変した。傭車先から「訴訟も辞さない」とクレームを付けられた事業者は、モラルも何もない荷主の姿勢に「困っていても二度と手伝わない」と憤りを隠さない。
家電量販店を荷主とする埼玉県の事業者は繁忙期を迎えた昨年末、荷主から増車を頼まれた。余剰のトラックがないため最初は断っていたが、とうとう荷主が泣きついてきたという。同社は「付き合いもあり、仕方がない」と傭車を探した。ただ、繁忙期だけの傭車では探せなかったため、荷主が「繁忙期後も取引を続ける」という条件を付け加えた。これにより、東京の会社が手伝ってくれることが決まった。「ホッと胸をなでおろしていた」という同社社長だが、繁忙期が過ぎるとすぐに問題が持ち上がった。
荷主が運賃の一方的な2割カットを打ち出してきたのだ。「繁忙期といえども決していい運賃ではなかった。そこからさらに2割カットということは、実質業者切りでしかない」と感じた同社社長だが、傭車先へは荷主の意向を伝えるしかない。傭車先にとってはまさに寝耳に水の出来事で、継続不可能ともいえる運賃の一方的な値下げを聞いて、烈火のごとく怒った。
同社社長は「忙しいにもかかわらず、今後を考えて仕事を引き受けてくれたのに、この仕打ちでは誰だって怒る」と理解を示すものの、「だからといって、ただでさえ利益の出ていない仕事に対し、うちで負担するわけにもいかず困っている」と間に挟まれて苦悩。
「困ったときだけいい顔し、あとは知らん振り。のど元過ぎれば熱さを忘れるとはこのことだ」と、自分の都合しか考えない荷主の姿勢に憤りを隠せない。(高田直樹)
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