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    アルコールチェック義務化 周知徹底も認識に不安

    2011年2月4日

     
     
     

     4月1日から、アルコール検知器設置および対面点呼時の検査義務化がスタートする。義務化についてはトラック運送事業者の認識も高く、アルコール検知器導入への関心も高い。半面、「点呼を行う営業所ごとに設置」という認識は不十分で、違反した場合の行政処分についての認知度も不透明な状態。「導入猶予期間」の緩いイメージのまま、「行政処分はないらしい」と間違った情報を信じている事業者も少なくない。本紙は全国のト協の協力を得て、「アルコール検知器導入に関する緊急アンケート」を実施。その結果、多くの会員に正確な情報が伝わっておらず、知らぬ間に「未設置」や「常時有効保持義務」に違反する懸念が浮かび上がった。



     アンケートは1月末現在で47協会中36協会から回答を得た。導入義務化まで2か月を切り、助成金の申請も今月中にほとんどが締め切りを迎える。09年の法改正以降、各協会では周知徹底に努めてきたが、その周知度について、会員が「十分知っている」と回答した窓口担当者は53%にとどまっている。

     検知器導入推進策として「助成金」、または「補助金」の制度が92%で設置。台数や金額に上限を設け、なかには「ハンディタイプは除外」「記録型限定」など性能やメーカーを指定するケースもある。いずれも2月中旬から下旬には申請受け付けを締め切るが、1月末の時点で締め切っている協会も見受けられた。

     09年にアルコールチェックの義務付けが決定する以前の07年から10年までの間に、簡易型のアルコールチェッカーを全会員に無料配布したのは12協会(約33%)。「複数の営業所を持つ事業者では、その後の導入が進んでいるかは不明」とする回答もあり、「機器の配布=導入率100%」との認識だったが、ほとんどの配布条件は1会員(会社)1台で、全営業所に配布と答えたのはわずかに1協会。

     さらに、簡易型の有効検知回数は500回・通常使用で約半年という機器もあり、4月の時点で「検知機能の有効性に不安」との指摘もある。このため、簡易型検知器のメーカー側は有効使用期間を過ぎると「買い替え案内」などの連絡を入れ、新機器への買い替えを勧めているが、その実行数は不明。センサーが気付かぬうちに機能しておらず、「常時有効保持義務違反」で行政処分となる危険も否めないという。

     義務化の違反処分は厳しい。初違反でも20日車や60日車の停止処分を受ける。しかし、アンケートで「義務化は知っていても行政処分の認識は不明」との回答が5%もあり、実際に「行政処分があることを知らなかった」と話す、都内でISOの認証を持つ中小事業者の経営者もいる。

     一方、3月の駆け込み需要で「混乱を予想する」と30%強が回答。東ト協では、12月は216件だった申請数が1月には380件まで跳ね上がったという。厳しい処分を背景に、「駆け込み需要による在庫切れで納品が間に合わないのでは」という噂も流れており、メーカー各社に状況を聞いてみた。

     タニタ(東京都板橋区)は「昨年末から問い合わせや注文が増えているが、本格的な駆け込み需要が起きるのは2─3月と見ている。在庫は十分に用意しており、現時点で供給面に問題はない」と話す。東海電子(静岡県富士市)も「問い合わせは非常に増えている。4月に間に合わせるためにも、すぐにでも問い合わせてほしい」とし、ドレーゲル・セイフティージャパン(東京都江東区)では「1月から注文が殺到し、一気に受注数が増えているが、昨年から準備をしていたので問題はない」。

     サンコーテクノ(千葉県流山市)は「年明けからは月平均の倍近い受注をいただいている。助成金の申請締め切りが迫っていることも後押ししているようだ」と話し、在庫は「4─5月まで対応できるよう準備は万全」という。各メーカーとも、需要を見越して昨年中に在庫を積み増していたようで大きな問題はないと思われる。

     義務化に際し、各地のト協は会報やホームページなどで周知に努めてきたが、協会機関紙に目を通さず、インターネットでの情報収集も不得手な事業者も多く存在する。義務化までの時間はわずかだが、「全会員への周知徹底をさらに強化してほしい」との声も聞かれる。(小澤 裕)

     
     
     
     
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