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    2年間だけの比較で「増加傾向」 国交省通達に疑問の声

    2011年2月24日

     
     
     

    truck4_0221.jpg 事業用トラックの事故防止対策を担当する国交省の部局が、昨年10月に全ト協会長宛てに出した通達の数値について説明を求めたところ、この部局の担当者が「通達の趣旨を分かり易くするために数値を拾った」などとする回答を本紙に寄せた。通達は、事業用トラックの事故に関して「増加傾向」の文言を使っているものの、09年、10年の2年間だけの比較に終始しており、08年以前の数値については「公表していない」とも説明。09年は、年明け早々から荷動きが急降下した年で、事故統計上も事故件数の減少が顕著な年だった。通達について「リーマン・ショック後の急激な経済縮小を、規制強化の雰囲気作りのために利用したとも受け取れる」と感想を寄せる事業者もいる。



     通達の文書は、国交省自動車交通局安全政策課長が全ト協会長宛てに昨年10月29日付で出したもの。「事業用トラックの事故発生状況を踏まえた事故防止の徹底について」との表題が付されている。

     内容は、10年9月末時点の事業用トラックの死亡事故件数が、09年同時期と比較して260件から272件へと増加傾向にあるとし、事業用トラックが横断歩道通行中の歩行者を跳ねた事故など三つの事故の類型で最大46%の件数増加があった、とするものだ。三つの類型を合わせると42件増加していることも分かる内容となっている。

     もっとも、全体の増加件数12件分と、3類型の事故増加件数42件との差である30件のマイナス分に関しては触れられておらず、どういった類型の事故で減少しているのかは通達からは読み取れない。

     さらに、08年以前の比較可能な数値について本紙が数値の開示を求めたところ、安全政策課の複数の担当者が、「類型別には出せない。公表していない」「三つの類型は、通達の趣旨を分かり易くするために拾った数値であり、出していない」などの回答を寄せた。また、こうした数値の出し方では「事業用トラックの事故増加が複数年を通じる傾向なのかどうか、検証の仕様がない」との本紙の指摘について、ある担当者は「単年度の短期間の傾向を表したもので、良くある行政指導、通達の一つ」と述べた。

     通達には、行政主導で今後10年間の民間の交通安全対策を決めていく性質を持った「事業用自動車総合安全プラン2009」の名称も明記されており、長期の観点からも事故が「増加傾向」であるかのような印象も与える。ある事業者は、「リーマン・ショック直後の09年と比較すれば昨年は走行台数も伸び、事故が多くなるのはある意味で当然。比較対照できる数値を出さないと、通達が恣意的なイメージを作り出してもいいという印象を市民に与え、結局は行政側が損をするのに」と感想を寄せる。

     安全政策課によると、警察庁が発表する統計の数値を同省も基にしているという。同課は、営業用トラックが第一当事者となった死亡事故件数について、09年は393件、10年は400件と説明。また、全ト協が発行する「日本のトラック輸送産業」によると、09年の同事故件数は366件、08年は407件、07年は510件などとなっている。(西口訓生)

     
     
     
     
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