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    営業ツールは「法令順守」 荷主・ディーラーの目が変わる

    2011年3月1日

     
     
     

     過労などの悪質違反や社会保険未加入への罰則強化、さらにアルコールチェッカーの導入義務化など、社会的規制の強化が続く。事業者からは「運送事業はやりにくくなった」との声が聞かれる。しかし一方で、しっかりと法令順守に取り組んでいる事業者からは、「荷主開拓につながっている」との声も聞かれる。コンプライアンス徹底の必要性が業界に浸透してきたいま、それに取り組む事業者は、まさにチャンスを迎えている。



     千葉県の事業者は、「最近、これまで取引のなかった大手事業者から仕事の依頼が頻繁に来るようになった」という。同社社長は、その理由について、「しっかりと法令順守を徹底した結果かなあ」と話す。同社では、5年前にドライバーが労基署に駆け込み、数百万円の支払いを命ぜられたという経験から、それ以降、法令順守の徹底を図ってきた。社会保険加入をはじめ、労働時間の管理、定期的な安全会議など、それまでの環境を大きく変えた。安全の証しとなってきたGマークやグリーン経営の認証を取得し、社内にも秩序をもたらした。

     その結果「ドライバーの意識は高まり、輸送品質は以前に比べ、明らかに向上した」という。社内が変わると取引先の態度も変わった。金融機関の評価も上がれば、トラックや軽油ディーラーの評価も上がった。

     さらに、これまで取引のなかった荷主から、仕事の依頼が来るようになった。「トラック業界は法令順守などできないと思っていた」と振り返る同社長は、「労基署の監査で痛手を負ったことが法令順守の徹底を図るきっかけとなったが、取り組んでみて、そうではないことがわかった」とした上で、「そういう意味では、きっかけを作ってくれた労基署には、いまでは感謝している」と話す。

     一方、埼玉県の事業者も法令順守の徹底を図る事業者の1社だが、同社にもそれまでなかった出来事が起こった。荷主の配送先へ毎日、納品のために同社のトラックは出入りしていたが、その納品先から仕事の依頼が入ったのだ。

     「連絡があったときは、うちのドライバーが何かやらかしたのかと思った」という同社社長だが、仕事の依頼と知って、「正直驚いた」と振り返る。

     仕事を依頼して来た担当者に理由を聞いたところ、「当社のドライバーとトラックを見て仕事を任せたいと考えた」という答えが返ってきた。「法令順守といっても、当たり前のことを当たり前のようにやっているだけだが」という同社長は、「ドライバーが評価されたこと、そしてそれが新しい仕事につながったことが何よりうれしい」と話している。

     業界では、コンプライアンスの徹底が叫ばれて久しい。それに真摯に取り組む事業者には、それに見合う効果も出てきているようだ。(高田直樹)

     
     
     
     
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