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    なぜ事故は起きたのか 大型トレーラのブレーキ凍結・炎上

    2011年3月4日

     
     
     

    enjo_0307.jpg 記録的な降雪量となった今冬、予想外のトラブルが各地で相次いでいる。1月末、山梨県内の高速道路で発生した大型トレーラのブレーキ凍結・炎上事故は、いまのところトラック事業者による「不適切な冬季整備」が原因とされている。運行前も含めた日常点検は自動車ユーザーの責務だが、今回の事故からは「メーカーによるリスク回避のための『説明責任』が果たされていたか」という疑問も浮かぶ。事故当時の状況を振り返りながら、「なぜ事故は起きたのか」という視点で関係者の声を集めた。



     岡山県に本社を構える運送会社のトレーラが炎上したのは1月31日の早朝。「山梨県内にある高速道路のSAで仮眠した後、名古屋方面へ向けて明け方に出発してから間もなくのことだった」と運送会社。事故調査を踏まえ、車体メーカーの日本フルハーフは国交省が期限とした2月14日に「車両不具合確認連絡書」を提出したが、それによると車両火災は運送会社の整備不良に起因する可能性が高いとされている。

     報告書で日本フルハーフは不具合の発生(推定)原因を、「ブレーキの戻り不良によるブレーキ引きずり状態となり、走行を続けた結果、ドラムが異常過熱し、熱がホイールに伝わり、リム部よりタイヤビート部が過熱され、気化ガスにより発火したものと推測…(中略)…当時の気温はマイナス8.2度を記録していることから、リレーエマージェンシーバルブ内ピストン上部の凝水が凍りピストンの動きが鈍くなり、ブレーキの戻り不良に至ったと推測」(原文のまま)などと記載。そのうえで「冬季に入る前の水抜き整備が実施されていない」と指摘している。

     一方、運送会社は当時の状況を「運行中に車両後部から『ボン』という音がしたためミラーで確認したところ、トレーラの右タイヤ付近から出火していた。路肩に停車して車載の消火器で火を消そうとしたが勢いが強く、消火をあきらめてトラクタを切り離して避難した」と説明。「日ごろから整備も得意だった」というドライバーが冷静に車両を切り離したことで、延焼の被害を防げたのが不幸中の幸いだった。

     調査報告を受けた運送会社は「不具合の原因が示され、整備不良があったという指摘は理解できる。ただ、分解しなければわからない部分に水がたまり、それが冬場に凍ることで火災の恐れがあることは知らなかった」と強調。炎上した日本フルハーフ製のトレーラ(平成14年式)は運送会社が4年前に中古で購入した積載20トンの2軸タイプだが、トレーラとしては「まだ新しい部類に入る」という。

     運送会社側は「メーカーでは『(中古購入は別だが)新車ユーザーには(凍結の危険も踏まえ)水抜き作業の必要性などを説明している』と説明するが、同18年に同社の新車を購入した際も説明を受けていない」と主張。「製造物責任と、ユーザーへの説明責任を果たしていない」として、法的に争う構えも見せている。(長尾和仁)

     
     
     
     
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