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    SEPで洋上風力発電をリード 第一建設機工

    2011年6月23日

     
     
     

    kuroshio_0620.jpg 2年前に運輸部門を譲渡した建設会社が、洋上での風力発電事業を国内でリードしている。本社は、今も酒蔵がたくさん残る兵庫県西宮市。酒造は、その陸運、海運の需要が必然的に生じる業態だ。発電のあり方が世界的に問われるいま、なぜ同社が洋上風力発電をリードしているのか。



     写真はこのほど、第一建設機工(礒野雅文社長)が建造した作業台船だ。四隅から空に向かって伸びる棒は建物の柱ではなく、海の底に向かって下に伸び、海底で台船の脚のような役割を果たす。そして、脚が海底を踏ん張りながら台船を空中に押し上げる。SEP(self elevating platform)と呼ばれており、写真の「SEPくろしお」は縦48メートル、横25メートルで「国内最大」。いや、一定以上の大きさのSEPは同社が保有する3隻を除いては「国内にほとんどありません」(同社工事部・林俊介次長)という。

     通常、海上で作業をする台船は、海面に浮かんだ状態で、作業中の静止はアンカーによってもたらされる。しかし、SEPは海底にしっかりと脚を下ろした状態。「台船の上にいるとビルの床のように全く揺れはありません」(同氏)。そんな中での仕事が要求されるのが、洋上の風力発電設備の設置だ。

     同社によると、海上の風力発電施設は国内に数か所ある。しかしそれらは、港湾内に位置したり、岸壁から数十メートルの沿岸に位置する。同社がリードする洋上は、沖合い数キロメートルに位置するものだ。

     風力発電は「再生可能な自然エネルギー」の一つで、東京電力福島第一原発の事故以後、エネルギーの現実的な選択肢として、にわかに光が当たりだした。しかし風力発電は以前から、回転する羽根から発生する低周波公害や美観を損ねるなどの問題が付きまとっていた。山間部に位置する風力発電所も風向きが一定でないことからくる不安定さが、投資意欲を削いできた点が指摘されている。

     つまり、公害が出ないで一定方向の風が得られるという条件が、国内では海上にしか得られず、さらには沖合い数?といった場所にある洋上でしか得られないのでは…という仮設が成り立つ。そこで、洋上でもピクリとも動かないSEPが活躍するはずだ、と踏んだのが同社だった。「洋上風力発電設置は、ごく狭い隙間にクレーンで吊り上げた部材を差し込むなど、精度の要求される作業」(同氏)がたくさんある。SEPなくしては洋上風力を語ることはできないと踏んだのだ。

     「洋上風力で、国内の第一人者というのは今のところいません。ウチがそうなれればと思っている」と同氏。10年前からSEPはもちろん、洋上風力発電そのものについても研究をはじめ、礒野社長名で業界の雑誌に論文が掲載されてもいる。

     今回建造した「くろしお」は3隻目のSEP。実は今月から国内初の洋上風力の立地調査を始めるため、千葉県沖に「くろしお」を派遣するはずだったが、東日本大震災の影響で延期となっている。林氏は、「現在、洋上風力発電は1000基程度の計画があり、複数の引き合いがきている」と話す。

     同社は09年、それまでの社名だった「第一運輸作業」から商号変更し、運輸部門を事業譲渡しグループ会社化した。1918年の創業から酒蔵の輸送に携わり、昭和の高度成長期に建設部門を設置している。(西口訓生)

     
     
     
     
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