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    「健診補助」再考を 多くのトラック事業者が望む助成事業

    2011年7月29日

     
     
     

    kenshin_0801.jpg 厳しい経営が続くトラック運送事業を支援するため近年、トラック協会も次々に新しい助成事業を開始させているが、その一方では望まれながら姿を消した補助もある。多くのトラック事業者、またト協関係者も残念がる一つが、ドライバーの「健康診断」をサポートする事業。交付金を「従業員の福利厚生に使うことは不適切と国交省が指摘したため」とト協関係者は口をそろえるが、高齢化が顕著な職業ドライバーを大量に抱える業界からは「業種・職種に特有の、社会的にも意義のある助成」として再考を求める声が根強い。



     国交省は「口を挟む立場ではない」と前置きしながらも、「交付金は本来、総務省の通達に記されているように震災や安全、環境対策、ターミナルの整備などに有効活用すべきもので、健康診断の受診など全産業に共通した企業の義務に使うことは不適切」(貨物課)と説明。全ト協でも「限られた予算では(事業の)優先順位をつけなければならない。社会への影響が目立って大きいということになればケアすることも大切だが、健診を業界特有のものとは考えにくい」(労働部)と話す。

     ただ、トラック業界からは「世論の批判が大きくなるまでは存在した事業。宿泊施設や遊園地などの優待割引と健診を一括りにして『ダメ出し』することは納得できない」という声が大きい。全ト協が補助事業の優先順位を口にすることも、限られた予算の中では仕方のないことだが、行政の指摘を受けた後も各地のト協では交付金事業としてではなく、会員の会費が原資となる一般会計で健診補助を続ける姿は多い。

     岩手ト協では交付金時代の3000円(1人・年1回)を1000円に減額し、いまも補助を続ける。一般会計から捻出しているために減額はやむを得ないが、「会員のメリットは大きい」と現行体制で3年目を迎えた。滋賀ト協も「一般会計に切り替えた。空白を作ることなく、いまも1000円を助成している」という。

     宮崎ト協では「一時期は陸災防が500円を負担する格好になったが、いまは登録車両台数の範囲内で1000円を(ト協が)補助している」。大阪ト協の場合は、交付金と一般会計を組み合わせてサポートする仕組み。会場費を交付金で賄う一方、健診料は一般会計から1000円を助成するもので、「指定の府下51か所で受診する場合、実質の事業者負担は4775円になる」と話す。

     ト協の支部が単独で手掛けるケースもあり、神奈川ト協の川崎支部もその一つ。330会員を抱える同支部では、今年度から700円を補助する事業を独自に開始している。直接的ではないが、集団受診の会場使用料を支部が肩代わりすることで、会員負担を軽くしようとしている例もあった。

     一方、会員からの要望が圧倒的に多いうえ、本州などに比べて成人病患者が突出して多いというデータに基づいて「安全運行確保のためのドライバー突然死予防検査に対する一部助成」を設ける北海道ト協。「(運輸局のヒアリングで)事業計画が承認されなければ予算が組めないのは当然。だから新規事業を立ち上げた」と説明。道内のトラック・ドライバーに患者が多く、早期発見による安全確保の重要性という、ある意味で「業界特有」の実情をアピールしたことで行政の理解を得て、堂々と交付金事業で実施している。

     ほかにも工夫しながら健診補助を続ける地方ト協の姿が少なくないが、こうした現状を見る限りは「会員が望む支援」である感が強い。全産業に共通した企業の責務という観点で、かつての「特別扱い」に一部で批判があったことは確かだが、平成22年度に過労死など脳・心臓疾患に関係した「運輸・郵便業」の労災の請求件数は分類別で最多の182件、職種別でも「自動車運転従事者」(139件)が突出している。さらに高齢化が顕著な運送現場の実情を踏まえれば今後、職業ドライバーを抱える「業界特有」の問題として再考する余地はある。(長尾和仁)

     
     
     
     
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