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    4割強が「中身知らない」 海コンドライバー

    2011年9月5日

     
     
     

    naibu_0905.jpg 国際海上コンテナを運ぶドライバーの4割強が「何を積んでいるか」を知らず、半数近くが積載状態を把握していない。また、8割以上が「片荷、荷崩れ」を経験していることが、関東運輸局の調査で判明した。積み荷では木材が片荷、荷崩れを起こしやすく、特に中国から輸入されるコンテナは内容物がしっかり固定されていないため、緩やかなカーブでスピードも出していないのに、思いがけない事故が多発しているという。



     8月26日に東ト協と東運支局が東京国際コンテナターミナル(東京都品川区)で共同実施した安全運行キャンペーンの現場に、関運局のスタッフが参加。アトランダムに海コンセミトレーラ30台を選び、緊締装置のロック状況を確認したほか、ドライバーに聞き取り調査などを行った。

     対象は、20フィート6台、40フィート(ノーマル)4台、40フィート(背高)20台で、すべて輸入・実入り。緊締装置のロック状況は全車良好だったが、ドライバーは「積載物品名を知らない」が42%、「積載状態を把握していない」は47%に上った。「片荷、荷崩れ」は84%が経験しており、気付いた理由は「曲がる時に感じた」「発進時に感覚で分かった」など。

     重さ、片荷などは「運転して分かる」63%、「分からない」37%。これも「曲がる時の感覚」や「発進時の速度の上がり方で分かる」が多かった。

     中身も、積み付け状態も分からずに運んでいるケースが「予想以上に多い」実態に行政当局も驚いているが、現行法では輸入コンテナの場合、荷受人の承諾がなければ原則として開けることができない。このためベテランドライバーなどは、コンテナの外側を叩いて「音で片荷かどうかチェックする」というのが現状。

     こうした中、中国から輸入される海コンの積み付けが原因と見られる事故が相次いでいる。関運局の野津真生自動車技安部長は「特に木材が要注意」と指摘。4月に発生したセミトレーラ横転事故は典型的な例で、時速20キロという低速でT字路交差点に進入。右折する際、積み荷(ベニヤ板)が荷崩れを起こし、助手席側を下に横転した。許可を得てコンテナを開くと、申告通り「ベニヤ板」24パレットを積んでいたが、パレットごとの梱包は「バンドを掛けてない」「切れている」などずさんな上、コンテナ内部に固縛してないため容易に荷崩れする状態だった。

     中国から入るコンテナは「考えられないような雑な積み付けをしている」と野津氏。7月に首都高でもトレーラの傾斜事故(現在調査中)が発生。やはり中国からの輸入木材を運んでいた。

     これまでの事故調査で、海コンは積み付けが悪くても陸揚げ時には分からず、平地を走行中に「震動」で荷崩れを誘発し、緩やかなカーブで重心が大きく移動、横転につながることが分かってきた。「外国の発荷主に対して、こちらからは何もできない。大事故を未然に防ぐためにも情報の伝達などを義務付ける国際コンテナ法の早期成立に期待したい」という。(土居忠幸)

     
     
     
     
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