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第79回:賄賂を疑う税務署員
2012年2月3日
税務調査を受けた社長の話です。社長は真面目で、会社の帳面はきっちりしており、全く問題はありません。過去に税務調査がありましたが、計算間違いや税金の仕組みを知らなかったために少しの追徴金を支払ったぐらいです。ですから税務調査があっても何ら心配することはなく、早く終わるだろうと思っていました。
ところが、税務署員が「この帳簿にある下請けの業者はかなり昔からのお付き合いのようですね。しかも競争相手になる他の下請けの業者もいないようで、何かもらっていませんか? 正直に言ってください」と質問するのです。社長は業者からリベートや賄賂をもらっているのではないか、自分が疑われているのだと思い、「何かをもらっているかといえば、夏には石鹸、冬にはみかんをもらいました」と、わざととぼけた返事をしました。そうすると税務署員は「それではない。他のもの、何かもらっているでしょう」と再度尋ねてきたとのことです。社長は「もらっていないものはもらっていないのだから、これ以上言いようがない」と返答しました。このやりとりがしばらく続いたそうですが、もらっていない、と言い続けるので、それ以上質問しなくなったそうです。質問の「何か」は明かされず税務調査は終了しました。
社長は、「人間はもともと悪である、という考え方から始まるから、あんな質問になるのだろうか。真面目にしている人間に、あんな質問をしてくる理由がわからない」と話してくれました。
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