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第83回:財産分与での確定申告に疑問
2012年3月2日
法律で財産分与という言葉があります。法律には夫婦の離婚に際して、いずれか一方が相手に対し財産分与を請求できると書かれてあります。離婚に際して請求できるのは財産分与と慰謝料ですが、夫婦で築き上げた財産に対し、清算と離婚後の当座の扶養という2種類の請求を合わせた制度です。
ある離婚した夫婦が、結婚当初から住んでいた住宅が元夫名義だったので、財産分与としてこの住宅を元妻の名義に変えることになりました。元妻は周囲から「財産分与には贈与税がかかるので気を付けないといけない」などと言われていました。離婚に際して妻がもらう財産は、財産分与でもらう住宅だけです。離婚を手段に相続財産を無理やり減らし、相続税を低くしようとするものではありませんから問題ありません。問題は元夫です。税法では財産分与により不動産を分与した場合は譲渡所得といい、所得税の確定申告をしなければなりません。財産分与した翌年に税務署に申告書を提出することになりますが、元夫は「お金のやりとりはないから確定申告の必要はないのでは」と疑問を抱いています。ややこしい話ですが、財産分与で不動産を分与した場合、分与時の不動産の時価と購入価格に差額があると税金が発生するというのが税法の考え方です。
元夫は元妻に分与した住宅は、購入時からかなり値下がりしているので税金の問題がないことがわかり安心しましたが、確定申告として税務署に提出することについて、いまだに疑問に残っているようです。
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