「以前、試用期間中に本採用の見送りを決めたことで、ややこしいことになった」と、原料輸送をメーンに手掛ける岡山市内のトラック事業者。「うちの仕事や社風に合っているかを見極めるには、ある程度の期間が必要。でも、実際には２週間を超えると解雇手当の問題も含めて、一気に煩わしくなる」と説明する。

　そうした経験を踏まえて、新しくドライバーを雇い入れる際には「すべて人材派遣会社から回してもらうようにしている」という。「１年更新で、最長が３年。シーズンによって生じる業務量のバラツキを埋める調整弁として利用する例もあるが、うちの場合は正社員に登用するステップとして活用している」と同事業者。

　派遣会社サイドも、「お試し期間」を経てトラック事業者が正規社員へ切り替えることを積極的にサポートしている様子。「試用期間のトラブルや、不当解雇などで大きな問題となる現状を改善する一策として、その仕事が労働者に合っているかを気軽に試せるような雇用ルールを整えてもらいたい」と話している。（長尾和仁）