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トピックス
新トラック運送経営のヒント(18)「最終目標」達成のために
2012年5月11日
先日、中小企業大学校旭川校様主催の「管理者のための運輸安全マネジメント講座」で講師をして感じたことです。
出席者の方に「安全目標」を考えてもらいました。発表された安全目標は大体同じ内容で「人身事故ゼロ」とか「物損事故前年比50%削減」や「構内事故ゼロ」などなど。これらはなにも間違っておらず「ごもっとも」な安全目標です。ところが問題があります。ドライバーがこの安全目標を見た時、果たしてどう思うでしょうか。「この安全目標を達成するために頑張るぞ」となるでしょうか? おそらくならないでしょう。なぜなら、例えば「人身事故ゼロ」について考えると、誰でも人身事故など起こそうとは思っていないからです。安全目標の設定の仕方が難しい、あるいは工夫が必要な理由は、実はここにあるのです。会社が「人身事故ゼロ」の安全目標を掲げるだけで目標が達成できれば、こんな楽なことはありません。ポイントは「最終目標」と「プロセス目標」があるということです。
立派な目標を掲げてもうまくいかない運送会社は「最終目標」しか設定していないことが多いのではないでしょうか。「最終目標」を設定するのは簡単です。安全目標なら「人身事故ゼロ」「物損事故年間◯件以下」。経営目標なら「売り上げ◯○億円以上」など、実に簡単に設定することができます。ところが現場は困惑します。いったい「最終目標」を達成するためには、何を、どのようにすればよいのだろうか、と。
例を挙げて説明してみます。若い男性が「彼女が欲しい」という目標を設定したとします。しかし、それだけでは1年経っても見つかりません。では、どうするのか。例えば「服装をおしゃれにする」とか「魅力的な車を買う」。さらには「おいしくて、おしゃれな飲食店を見つける」「女性と出会える場所を探す」。彼女を作るためには色々なことをする必要があるはずです。これらが最終目標を達成するための「プロセス目標」になります。
経営者や管理者は「事故ゼロ」という最終目標を達成するために、「プロセス目標」を考えてドライバーに分かりやすく説明する義務があります。かけ声だけで目標が達成できるのであれば、運輸安全マネジメントは必要ありません。
最終目標を達成するための「プロセス目標」を、どのように設定するのか。社長さんや管理者の方の腕の見せ所ですね。
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