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計画停電の影響は? 不安抱える物流事業者
2012年5月30日
原発が再稼働されないことから、関東、関西などでは強制的に計画停電を実施して節電に努める計画が立てられている。近年、物流施設などでは荷役作業の自動化が普及し、さらに製造業でも電力を要することから、計画停電に不安を抱く物流事業者も多い。
大阪市住之江区に本社を構える運送会社では、「大手倉庫業者や鋼材メーカーとの取引が多く、昨年は東日本大震災による停電や節電で物量が減少し、最大で25%の売り上げ減少に陥った。その後も売り上げは回復しておらず、今夏も節電による計画停電などが行われれば再び大幅な売り上げ減に見舞われるのでは」と不安な胸の内を語る。同社によれば、大手倉庫業者は電力を要する自動ラックや荷役機器が用いられており、計画停電を懸念した荷主などは、電力を必要としない倉庫への変更が増えるようで、同社のような大手倉庫会社では、節電や計画停電となれば大きく物量が減少してしまうようだ。
また、大阪府岸和田市の運送会社でも「当社の荷主は鋼材メーカーだが、電炉での製造がほとんどで、節電となれば大幅に製造量に影響を及ぼす。中小の製造業はほとんど自家発電などの設備を持たないため、計画停電となれば製造量も大幅に減少し、結果、われわれ運送事業者にも大きく影響してくる」と話す。
昨年、大幅に売り上げが減少した運送会社では、「一部の荷主は計画停電を懸念して現在、一部前倒しで製造量を増加している」という。しかし、「最近は在庫を抱えたがらない企業が大半で、以前のように大きな倉庫を必要とせず、中小規模の倉庫が人気を集めており、当社でも倉庫許可の取得を考えている」とし、「大手倉庫ではほとんどが電力による荷役作業が必要であるが、中小規模の倉庫であれば節電はあまり関係がない」と説明する。倉庫許可取得などを担当する行政書士でも現在、運送事業者による倉庫許可申請が増加していると指摘する。(佐藤弘行)
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