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渋滞の一因「荷さばき場」 都市部で問題 自治体の対策を調査
2012年6月12日
大都市が抱える問題の一つに「交通混雑」がある。多くの車両が集中する地域だけに、以前から、商用車の荷さばきが混雑の要因とされているため、「荷さばき場」の確保には各都市でいろいろなアイデアが出されている。コインパーキングやビルの地下、路上スペースの確保などが多い。全ト協も「路上駐車取り締まりの重点地路線・重点地域に指定されている箇所において駐車スペース等を早急に整備されたい」とした要望を関係団体に提出している。各都市の「荷さばき場」の現状を調査した。
東京都では、「都内の慢性的な交通渋滞の解消に向け、駐車場業者の協力を得て、荷さばき可能な駐車場の拡大を目指し、あわせて荷さばき可能な共通ロゴマークの普及拡大を図っている。また、民間駐車施設を活用した荷さばきスペースの確保についても検討していく」としている。平成21年度までで905の駐車場が協力している。これは、「東京都が警視庁及び東京国道事務所と連携して実施している、集中的な渋滞対策事業『ハイパースムーズ作戦』(平成20年度から実施)の一環として実施しており、交通渋滞の一因となる路上での荷さばき行為を解消するため駐車場事業者の協力を得て、路外に荷さばきスペースを設置する取り組み」というもの。物流事業者ならだれでも利用できるが、荷物の積み替え作業などは禁止されている。
大阪府では「貨物車交通プラン」を策定。「ジャストインタイム輸送などの物流の商慣行により、集配送先周辺での荷物の積み下ろし待ちが必要となっているが、貨物車が駐車休憩できるスペースが少ないため、荷待ちのための路上駐車が発生し、車線閉塞による渋滞や事故などの要因となっている」と指摘。
しかし、同問題に対する考え方は様々で、「路上駐車実態調査から、貨物車の路上駐車が多い自治体へヒアリング調査を行ったところ、大阪市と一部の市では荷さばき駐車に関する問題認識を有しているものの、他の市では対策を必要とする情報が得られなかった」としている。
現在、人と公共交通優先の「歩いて楽しいまちづくり」を推進している京都市では、重要事業である四条通(烏丸通〜川端通間)の整備について、公共交通が優先して走れる道路とするとともに、歩道を拡幅する計画を進めている。減少する車道部分について、「すべてが歩道になる訳ではない。貨物車の積み下ろしスペースやテラス型のバス停、タクシーの乗降場、左折レーンなどを設置する」としている。(小西克弥)
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