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    薬物所持で現行犯逮捕 違反履歴、乗務前チェックは困難

    2012年6月20日

     
     
     

    truck3_0618.jpg 薬物問題が社会問題化しているなか、トラック業界でもドライバーの薬物使用に頭を悩ませている。埼玉県の事業者では、ドライバーが仕事中に薬物所持で逮捕されたことが荷主に見つかり、危うく信用失墜につながりかけたという。再犯率が高いといわれる薬物違反だが、使用の経歴も分からない現状では、採用時の見極めも困難と指摘する同社社長。「飲酒はアルコールチェッカーで検査できるが、薬物の事前チェックは難しい」とこぼす。



     逮捕されたドライバーが同社に入社したのは昨年の夏。当時、ドライバーの募集をしていなかったが、履歴書を持参して飛び込みで面接を受けに来た。「面接での態度に不審な点もなく、受け答えもそれなりにできたことから、やる気を考慮して採用を決めた」という。

     30代半ばのそのドライバーは、「ルーズでだらしないというところはあったが、仕事に穴を開けるほどでもなく、普通の勤務態度だった」。荷主からクレームが入ることもなく、順調に仕事をこなし、経験を積んでいるかに見えていた。しかし、今年4月に問題が起こった。

     朝の配達を終え、その足で午後の積み込み場所へ向かうことになっていたが、予定の時間になってもドライバーが現れない。携帯電話に連絡してもつながらず、「こんなことは、これまであり得なかった」ということで、警察に相談したという。仕事に穴を開けるわけにはいかないため、急いで配車を組み直し、対応したことで事なきを得た。

     そんな矢先、同社に警察から連絡が入った。理由は教えられないが、トラックを引き取りに来て欲しいという。引き取りに行って分かったことは、ドライバーが覚せい剤を所持しており、現行犯逮捕されたということだった。「そんな素振りもなく、まったく気付かなかった」と、まさに寝耳に水だったという同社長は、頭の中が真っ白になった。翌日には、ドライバーの母親が謝罪に来たが、薬物使用で逮捕されたのは今回で2度目だと聞かされた。

     幸いにも、仕事中とはいえ交通事故ではなく、道交法違反には問われずに済み、国交省の監査の対象にはならなかった。また、急いで対応できたため、荷主の仕事に穴を開けることもなかった。

     しかし後日、荷主からドライバーがいなくなったことを指摘され、薬物使用で逮捕されたことが知られてしまった。必死に説明し、何とか理解を得られたが、「イメージの問題もあるため、荷主がナーバスになるのも仕方がない」と同社長は振り返る。

     「もし仮に、重大事故を起こしていたらと考えるとぞっとする」と話す同社長。「薬物違反は再犯率が高いだけに、個人情報の問題もあるだろうが、過去の違反歴を見て採用できるようなことも考えてもらわないと」と指摘する。その上で、「管理できないものを管理させて、できなければ処分を下すのではなく、事業者の環境も整えて欲しい」と訴えている。(高田直樹)

     
     
     
     
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