ドライバー不足から、一度現役を引退したドライバーが再び、中小・零細の運送会社で働くケースが見られるという。大阪府堺市の運送会社に、他の運送会社で働いていた元ドライバーが、定年を迎えて退職後、同社に職を求めてきた。同社は基本的に高齢者のドライバーを雇い入れることはないが、知り合いからの紹介で、さらにドライバー歴40年を超えるベテランであることから、若手の育成とともに、近距離などの輸送担当として採用したようだ。

　ドライバー不足で困っている運送会社では高齢者の採用について、「現状ではトレーラや大型トラックのドライバーが極端に減少している。当社にも60歳を超える求職者から連絡はあるものの、経験が少ない人が多いことから採用は避けているが、仮に経験が長く働く意欲のある高齢者であれば、採用は前向きに考えたい。今は若年ドライバーがほとんどいない。高齢化も仕方ないと思う」と語る。

　60歳を超えるドライバーを採用した堺市の運送会社の社長は、「ドライバー不足でトラック、トレーラを止めていても事業は成り立たない。多少の不安はあるものの、つい最近までドライバーとして活躍されていた方なので、経験があれば今後も積極的に高齢者を採用していく」と話す。（佐藤弘行）