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運送契約を求める荷主 事件・事故で即解除するため
2012年6月28日
運送業界ではこれまで、荷主との運送契約をほとんどの運送会社は結んでこなかった。しかし、暴力団対策法の強化や下請法などの問題から最近、荷主企業側から運送契約を求めるケースが増えているようだ。
過去には運送契約を結んだことで、荷主と運送会社がトラブルになった際、運送会社が有利の契約となっていて、結果、荷主側が裁判に負けて数千万円の損害賠償を支払うケースもあったことから、一部の荷主企業では運送業者との運送契約はあまり結ばず、口約束での運送が多かった。しかし、最近では使用者責任などの観点から、荷主側有利の運送契約を求めるケースが多いようで、大阪府堺市の運送会社でも荷主数社から運送契約を求められたという。
その契約の内容は、荷主側の要求がほとんどで、中には暴対法に関することや、コンプライアンスを考えた運送契約を解除するための内容となっているようで、あくまでも荷主企業がいつでも、有利に運送契約を解除できるといった内容だ。
契約を求められている運送会社では「仮に当社がコンプライアンスに違反した場合や飲酒運転で摘発された場合、事故が発生した場合は直ちに契約を解除するなどの内容で、荷主側も万一、事故で相当額の損害賠償が発生すれば大きな問題にも発展しかねないため、このような契約を結ぶのではないか」と話す。
一方、別の運送会社では「荷主側から運送契約は求められないものの、自ら求めている。荷主も自らが不利になるような契約には応じないが、お互いに万一のことを考えれば契約が必要ではないかと感じることも多い」と語る。ある経営コンサルタントは「法律違反や事件、事故など契約している運送会社に大きな問題が発生した場合、その会社を使い続けることは荷主にとってもイメージが悪く、直ちに契約を解除したいが、何の理由もなく契約は解除できない。そういう場合に契約を解除するために運送契約を求める荷主もあるようだ。あくまでも荷主側に有利で、事件や事故が発生した場合は即契約解除できるようになっている」と説明する。(佐藤弘行)
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