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第101回:土地相続と建築基準法
2012年7月12日
親が亡くなり土地を相続することになった兄弟がいます。兄弟は仲が良く、遺産分割で争いをすることもなく、無事に遺産相続を終えようとしていました。しかし、全く予想もしなかった法律の規定により困ったことになったというのです。
遺産分割は兄弟がそれぞれ一筆の土地を相続します。兄は道路に接する表の土地を、弟は兄が相続する土地の裏にある土地を相続します。そのため弟が相続する土地は道路に接していません。弟は道路に接しない裏の土地、自分が相続する土地の上にマイホームを建てて住んでいます。弟は裏の土地ですから、弟の家族が自宅から外出するときは表にある兄が相続する土地を通行しないと道路に出られません。建築基準法という法律があります。この建築基準法第43条には「建築物の敷地は建築基準法に規定する道路に2メートル以上接していなければならない」とあります。建築基準法の道路とは、簡単に言うと幅員4メートル以上の道路です。つまり弟が相続する土地は道路に接していないため、家を増改築したいとき建築の許可が下りないことになります。兄弟が元気でいる間は兄の協力により許可申請すれば増改築は可能ですが、兄弟が死亡し従兄弟の時代になったとき、子や孫がこの建築基準法で苦労するとも限りません。このため兄は自分が相続する土地の一部を弟に相続させることにしました。
兄弟は相続にあたって税金や税務署ばかり気にしていましたが、まさか他の法律でややこしくなるとは思っていなかったと話していました。
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