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配車担当者への腹いせか 元従業員が弁済金や未払い賃金要求
2012年11月28日
ドライバーと配車担当者は互いに強い信頼関係で結ばれているもので、もしその関係がうまくいっていなければ、会社に大きな損害を与えると言っても過言ではないようだ。大阪府の南部に本社を構える運送会社は、ドライバーの事故に対するペナルティー(弁済金)問題に端を発し、今度は未払い賃金として数百万円を求める訴えを起こされている。
同社は数人の配車担当者が各分野に分かれて配車業務を行っているが、海コン輸送に従事するドライバーが担当者と折り合いがつかず退社することとなった。退社して数日後、元ドライバーが労基署を通じて、今までに事故を起こした際の安全手当について、給与からの天引きに関して訴えを起こした。労基署は同社に是正を勧告し、ドライバーから徴収した弁済金約6万円を返済。その後、本人が話し合いのため同社を訪れた際に、配車担当者や経営者らと話し合ったが、元ドライバーは配車担当者に罵声を浴びせるなど冷静な話し合いとはならなかったものの、問題はひとまず解決となった。しかしその後、元ドライバーは配車担当者と会社への腹いせからか、同社に在職しているドライバーに対しても、労基署に訴えることで弁済金が返金されることを告げるとともに、さらに、弁護士を立てて今度は未払い賃金請求の訴えを起こしてきた。
同社は弁護士を立てて対応。社長は「配車担当者は仕事柄、どうしてもドライバーに厳しい注文をすることもある。それは社長の代わりに行っているためで、配車担当者の責任ではない」とし、「今回の訴えについて弁護士によると、元ドライバーの残業未払い賃金は2年間さかのぼったとしても数百万円程度と大した金額ではないようだ」と説明。
しかし、「長距離ドライバーや自己判断で早出や残業をしていたドライバーらについては、会社の指示以外の時間帯での業務も多いことから、問題が大きくなれば何千万円、何億円と言った支払いになる可能性もある。そのため十分に訴訟になった場合を理解して、今後に備える必要があると説明されている」と深刻な表情で語っていた。
未払い賃金問題では運送事業者が訴えられ、裁判に発展しているケースも多く、現実に数千万円を支払った運送事業者も存在する。(佐藤弘行)
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