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支払いの悪い荷主に注意 先払いなどでトラブル回避を
2012年12月19日
運賃の支払いが手形であっても仕方なく請け負う運送事業者は少なくないが、この手形支払いがあだとなることも多いようだ。大阪府和泉市の運送会社は荷主の債務超過が原因で支払いが滞り、結果、倒産に追い込まれた。運送会社にとって荷主からの支払いは会社経営を大きく左右するものだが、同市の別の運送会社でも荷主企業から200万円以上の支払いが滞り、同社は法的手段も視野に入れて現在、行政機関や専門家に相談を行っている。
同社は建設資材の輸送が多く、大手から中小企業、個人まで、さまざまな荷主が存在する。個人荷主の場合、1か月の売り上げを気に留めながら取引を行い、10万円以上を超える取引の場合は支払期日を短くするなど配慮。さらに、中小企業には手形での支払いに応じないなど、きめ細かく注意していた。しかし今回、個人と中小企業の取引先と、支払いを巡ってトラブルになっていると話す。個人については年に数回、輸送依頼があり、これまでは適切に支払われていたが、今回に限っては支払いが行われておらず、最初のうちは電話でやり取りしていたものの、現在では電話にも出ず、自宅も居留守を使うことから、同社は詐欺で訴えを起こす構えだ。
中小企業の荷主については、数か月で約200万円の支払いが発生したが、支払いが困難になってきたため、同社は1か月に約20万円の分割での支払いに応じた。しかし、今年夏を境に支払いが行われず、また、適切な対応もないことから、支払いに応じてもらえるための訴訟を検討している。
同堺市の運送会社でも、もともと支払いが悪い荷主企業が存在しており、過去には分割での支払いに応じて取引していたが、現在では輸送を依頼する場合は先に運賃を支払ってからの取引にしている。同社では1回の輸送で数万円程度、月に5〜6回の輸送で数十万円の支払いになるが、1回の輸送のたびに現金で輸送費を得てから輸送する仕組みに切り替えた。この仕組みにしたことで、同社社長は「もともと支払いの悪い荷主は、他社でもトラブルになっていることが多い。トラブルを避けるために当社では、毎回先払いでの輸送依頼を受けている。支払いがルーズな荷主については、こちらがしっかりと取り決めを行うことが必要」と話す。(佐藤弘行)
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