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「佐川女子」も 運送業で女性ニーズ増加
2013年1月21日
「佐川男子」ならぬ「佐川女子」がこのほど、インターネットのニュースで紹介された。佐川急便で女性を雇用する動きが活発化しており、「仕事をしている一人暮らしの女性は朝や夜に荷物を受け取ることが多い。こうした利用者は『女性に届けて欲しい』という要望が多い」と好評だとしている。佐川急便やヤマト運輸では、女性の雇用を積極的に進めているが、業界全体ではまだまだ低いというのが現状。関係者に話を聞いた。
いままでの運送業界は「力仕事」というイメージ通り、典型的な男社会だった。しかし、佐川急便では2011年10月から「わくわくウィメンズプロジェクト」をスタートさせ、「14年までにグループ事業の30%を女性が担う体制」をめざしている。同社では「働く女性の雇用形態も多様化し、全国において女性中心で稼働するサービスセンターも増えつつある」という。多様化した雇用形態と宅配利用者に働く女性が増えたことで、運送業界での女性ニーズが増加したといえる。しかし、「女性の社会進出はまだまだ難しい」という声は多い。京都府男女共同参画センター(らら京都)では、「日本人の意識として、男女の役割分担の意識が強いということがある。また、女性は結婚して子どもを産むとなると、再就職が非常に難しくなる。京都府では官民挙げて取り組んでいるところ」という。
また、「再就職しなくて済む方法を考える必要がある」と話すのは、京都市男女共同参画センター(ウィングス京都)。「いままでは育児をするために退職することがほとんどだったが、育児休業制度を採り入れるなど辞めずに済む方法を考えていくべき。せっかく育てた人材を辞めさせるより、長く働き続ける方法を考えて欲しい。大企業しかできないとあきらめるのではなく、中小でも取り組んでいるところは多くなっている」と話す。
さらに、「ヤマトさんや佐川さんの担当者で、トラックに乗らず台車や自転車で荷物を運んでおられる方をよく見かけるので、女性の進出が進んでいると思っていた。(女性が)物流業界に入りにくいという意識を持っていることもあるかもしれない」とも指摘。業界を挙げて女性が働きやすい職場をめざす必要があるようだ。
ヤマト運輸では「社員が育児・介護と仕事を両立できるように、さまざまな支援制度を整備している。育児短時間勤務は子どもが小学校1年生終了時まで、また介護休業は上限365日まで、介護短時間勤務は最長4年間取得することができ、法定期間を上回る制度を軸に、社員のワーク・ライフ・バランスをサポートしている」という。
今後、業界の多数を占める中小企業が取り組める方法を考える段階ではないだろうか。(小西克弥)
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