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新トラック運送経営のヒント(52)累積違反点数の隠れたリスク
2013年2月1日
九州地区の運送会社が3日間の営業停止になりました。そう聞いても「ああ、そうなの」と思われるかもしれません。実は、今回の営業停止はいつものケースとかなり違います。
いったい何が違うのでしょうか? それは、九州地区にある?全ての?営業所が営業停止になったことです。A県にある本社営業所とB県にあるB営業所の合計2か所です。本社営業所は約2年前に215日の車両停止処分(違反点数22点)を受けていました。そして今回の行政処分では350日の車両停止処分(違反点数35点)を受けました。ポイントは「累積違反点数」です。原則、10日の車両停止で1点の違反点数が付与されます。違反点数は原則3年間累積されますから、今回のケースでは22点+35点=57点の累積違反点数です。
同じ運輸局の管轄にある全ての営業所の違反点数の合計が?51点以上?になると、全ての営業所(同じ運輸局が管轄する営業所に限ります)が営業停止になります。今のところ珍しいのですが、今回はこの基準に従ったものです。
本社営業所が2年以内に2回の行政処分を受け、57点の違反点数になったことで、全く行政処分を受けていないB県の営業所までも営業停止になってしまう、という非常に厳しい内容です。事故は連帯責任ということでしょうか。
今回の事例で分かることは、同じ運輸局の管轄にある営業所の行政処分には注意が必要ということです。一つの営業所で受けた行政処分が、その後3年以内にほかの営業所で重大事故を起こし、高い違反点数を受けてしまったら…。この危機意識を持つことが大切です。
最近の行政処分は、たとえ重大事故を起こしていなくても、労働時間や点呼違反だけで200日を超える車両停止処分が下されることが少なくありません。200日の車両停止で違反点数20点。ほかの営業所で同様の違反を指摘されれば、すぐに累積で51点以上になります。社長としては、この?隠れたリスク?に気づけるかどうか。「1営業所の違反は全営業所の違反と同じ」。この考えを会社全体で共有し、法令違反を減らす取り組みをすることが非常に大切ですね。
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