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もらい事故でも過失あり? 100対ゼロ「ありえない」
2013年3月6日
「停車しているクルマに後方から追突をした場合を除いて、100対ゼロの過失割合はありえない」「ドラレコが普及し始めており、過失割合100対ゼロの交通事故が増え始めている」など、過失割合についてはいろいろな意見があるようだ。交通事故の場合、「もらい事故」であっても、過失割合が100対ゼロにならない場合が多い。
大阪府下の運送事業者は昨年、「もらい事故」に遭った。交差点内で無理な車線変更をしてきたトラックに後部をぶつけられたという。相手の運送会社の担当者がすぐに謝罪に来た。「こちらは悪くない」と考えていた社長だが、過失割合は相手側の90対10。社長はもちろん納得していない。大阪府の別の会社では、左折レーンから右折してきた一般車両と事故を起こしたという。「どう考えてもこちらに過失はない」と思っていた社長だが、これも相手の保険会社は「100対ゼロ」とは認めなかった。
交通事故全体で過失割合「100対ゼロ」の事故はどれぐらいあるのだろうか。日本損害保険協会によると、「そのような統計はとっておらず、見たこともない」という。大手の損保会社に問い合わせても、「公表できない」とのこと。
日本損保協会によると、「各会社が過失割合を決めているので、協会ではわからない。個別の事故は複雑で、そういった統計を取るのは難しいだろう」とも説明する。大阪府の運送事業者は「まったく違反なく運転していても、避けることのできない交通事故がある。それで過失を問われるのは納得できない」という。
現在、ドライブレコーダーが普及し始めており、過失の「あり・なし」がますますはっきりしてくる。「100対ゼロ」の交通事故が増えているかどうか、この程度の統計は損保業界で出してもらいたいという声もある。(小西克弥)
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