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    車両重量自動計測装置、数台が修理中 不公平の声

    2013年3月8日

     
     
     

    truck1_0311.jpg 「特殊車両の通行に関する指導取締要領」が改正され、違反者名公表をはじめ行政処分が一段と厳しくなり、1日から施行となった。ただ、同日現在、各地の国道に設置されている39台の車両重量自動計測装置のうち「数台は修理中」で、十分な機能を果たせないことが本紙の取材で分かった。計測できる地域とできない地域が混在する形でスタートした改正指導取締要領。要領改正に反対だったトラック事業者からは「不公平な取り締まり強化だ。全国の自動計測装置がすべて有効に機能するまで待つべきだったのでは」と不満の声が上がっている。



     自動計測装置の不備は管理者である国交省の発表でなく、昨秋、会計検査院の指摘で発覚した。2008年、当時「最新鋭の地中埋め込みタイプ」として65億円をかけて導入された39台の自動計測装置だが、会計検査院によれば愛知、福岡、山口の3県に設置した6台は部品故障などで、車両の高さ、幅、重量などを「6か月から2年10か月にわたり計測不能」だったことが判明。さらに静岡、大阪など4か所の国道事務所では8台を設置していたが、カメラの不良でナンバーが読み取れず、「2年間で5万5000台の違反車両を検知しながら、85%以上の4万7000台が特定できず、違反を看過していた」という。

     地方整備局や国道事務所が定期点検を怠っていたのが大きな原因で、導入費用65億円とその他のコストを合わせると90億円近い無駄遣いが明らかになったが、国交省はいまだに一切、コメントしていない。このため、トラック業界では自動計測装置の不備について、「全く知らない」ケースも多い。

     指摘を受けた国交省はその後、すべての計測装置を点検。不具合のある装置について修理を行ってきた。改正指導取締要領の施行に当たり、道路局を訪ねたところ、「数台がまだ修理中で、3月いっぱいかかる」との話。修理に時間を要するのは「システムや部品の一部が外国製」のため、調達や調整で手間がかかっているという。修理中の数台の設置場所は「教えるわけにはいかない」。

     「一部の地域で自動計測装置に不具合が残ったまま、改正要領が施行されるのは不公平との意見もあるが」と質問すると、「3月の計測結果による警告書は4月以降になるから」と意味不明の回答以外に、的確な情報は得られなかった。

     改正要領を後押しする格好で、違反を繰り返す悪質な事業者に「立ち入り検査」できるようにする新法案(道路法等の一部を改正する法律案)も今月中には国会に提出され、成案となる見込みだ。特車を扱うある事業者は「この業界は本当におとなしい。国がやることには、いつも泣き寝入りだ」と嘆いている。(土居忠幸)

     
     
     
     
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