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トレーラ売却検討していたら「倒産危機」の噂広がる
2013年3月14日
運送事業者にとってトラックは売り上げを稼ぐ道具。また、ドライバーもトラックを動かして売り上げを稼ぐ大事な人材。この二つがそろって初めて運送事業は成り立つ。しかし、最近では大型トラックのドライバーが不足し、トラックを車庫に遊ばせて税金だけ納めている状態の運送会社も多い。いくらトラックを多く保有していても、動かなければ維持費の経費だけが重なり、大きな無駄となっている。このジレンマを嘆く事業者も多い。
こうした情勢からトラックを売却する事業者もあり、中にはトラックが高値で取引される時期を見て売却する例も少なくない。大阪府堺市で海コンや鋼材輸送を手掛ける運送会社も、海コンドライバーがなかなか集まらないことを理由にトレーラ5台の売却を考えて、中古トラック買取業者数社に査定を依頼した。すると業界関係者の間で、「経営に大きな負担となったことでトレーラを大量に売却処分する」との噂が広まり、同社も自社の倒産危機の噂が流れていることを聞かされ驚いている。同社社長は「海コンは新たに20台分の輸送が4月から増える。しかし、ドライバーの募集を行うがなかなか良い人材が見つからず、昨年から5台のトレーラトラクタを車庫で寝かせた状態。このため、傭車を行ってくれる運送事業者が見つかったことで、5台のトラクタに見切りを付けて、売却を検討していた」と語る。
現状でトラクタがどれほどの金額で買い取られるのか調査を兼ねて、中古トラック買取業者数社に査定を依頼したところ、なぜか同社が大量にトラクタを売却処分するものと思い込まれ、同社の思いもよらないところで経営危機の噂が飛び交ったようだ。
同社社長は「昨年もトラックを数台売却したが、その時は3か月に1台程度の売却だった。今回は傭車先に数台売却する予定で、さらに残りの車両を中古買取業者に売却することから、買取価格を調査して、それを参考に傭車先に同様の金額で売却するつもりであった」と説明。同社では鋼材輸送が現在、今までの倍以上稼働。さらに海コンでも4月から1日20台の仕事の増加となり、「現状でも人手不足なのに、さらに事業拡大で当社の力だけでは対処できないため、人材を抱える運送事業者に協力してもらい専属傭車として輸送を行ってもらう予定だ」と語り、倒産危機の噂を強く否定している。(佐藤弘行)
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