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輸送品質、入札では見えず 運賃以外でPRを
2013年4月25日
役所関係の物流受注では入札が行われているが、一時期、民間企業の物流でも全て入札で事業者選定という流れに見直す荷主も出てきている。輸送品質は運賃だけではわからないが、運賃以外で他社との違いを見せるのが難しいのも運送事業。それを荷主に具体的に見える形にできることが強みを持つ事業者とも言えそうだ。
入札や相見積もりで価格競争させて運賃コストを下げるというやり方が一般化し、多くの荷主が運送事業者に行っている。こうした場合、荷主にとって運賃が安くなったのは、業務効率化などによるものではなく、運賃競争だけが見えて輸送品質に問題が発生することもある。運賃競争で敗北したが、実際の業務ではトラブルが多く、1年後には元の運送事業者に再び依頼してきたという事業者も少なくない。荷主にとって、品質が高くコストは下げられるのが理想だが、そうした運送会社を見分けるのは難しい。そこで「運送事業者の特色が見えるような取り組みがあると選びやすい」という荷主もいる。
神奈川県の事業者は、ある荷主と運送契約を結んだが、同社が選ばれたのは運賃だけではなかった。同社によると、毎年の入札の繰り返しで限界に近い運賃になってしまい、入札に応えられない事業者も増えているという。荷主側でも「何でも入札や相見積もりで値段を下げることが正しい経営の方法なのか」と疑問視する声が出てきて、そこで同社の、運賃以外の部分が評価されたようだ。
今回、同社の運賃が一番安いわけではなかったが、独自の配車管理システムなどで効率化を図っている点が評価され契約になった。荷主の担当者からは「輸送品質は実際にやってみないとわからない」という話があったという。他社よりも優れている点として、例えば、配車管理システムを導入している点などがわかりやすく、荷主の担当者は「社内にも同社を選定した理由を説明しやすかった」とも話す。
運送事業者側でも、せっかく輸送品質に力を入れていても、なかなかPRできていないこともある。運賃だけで評価するのではなく品質が大切だという認識がある荷主に対して、事業者側が自社の品質を、どうやって表現するかも問われている。(千葉由之)
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