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    応募者から面接される? 運送会社

    2013年6月12日

     
     
     

     「応募してきたドライバー希望者を面接している」という運送社長を応接室で待つこと数分。戻ってきた社長は「面接をするつもりが、逆に決定権は向こう側にある感じで、こちらは連絡待ちだ」と苦笑い。若年労働力の確保が難しくなっている問題とは別に、すべての年齢層でトラック・ドライバー離れが加速。歩合給が中心の業界にも労基法は一律の時間制限をかけるが、それによってドライバーの収入は確実に目減りしており、物流の最前線を担うドライバーの不足が深刻度を増している。



     輸入工業品の運送を手掛けているという岡山市の社長。「仕事はあるが、乗り手がおらずに7、8台が遊んでいる。ハローワークに出しているが、ほとんど応募者は来ない」というだけに、待望の面接だったはずだ。50歳を超えていたものの、素人の応募が目立つハローワークの紹介としては即戦力として期待できると感じ、「いつから働けるかと聞いたところ、ウチの面接が5社目ということで、『考えてから電話させてもらう』と返された」とあきれ顔で話す。

     資材関係を扱う広島市の運送会社でも人手不足の影響が出始めた。社長によれば「うちは4トン車が中心で、大型トラックに比べて積み・下ろし作業が多いのがダメらしい。手積み・手下ろしも敬遠されるうえ、1台当たりの稼ぎも悪いからトリプルパンチ」と手をこまねく。「すでに25歳以下の若者の普免では4?車に乗れなくなった」のも影響している。

     「先日、同業者にドライバーを引き抜かれた」と打ち明けるのは、住宅関連品を運ぶ姫路市の運送会社。「離職票は必要ないというから不思議に思ったが、すでに行き先が決まっているなら当然。ところが数日後、そのドライバーがやって来て、『やっぱり離職票が欲しい』という。聞いていた内容と違ったらしく、『もう一度ウチへ来るか』と話してみたが、本人は失業手当を選んだ」と複雑な思いを明かす。

     「荷物が軽い」「近場の配送」「出勤、退社の時間が規則的」「固定した休み」――。最近のドライバー面接で、応募者が希望する労働条件は年齢を問わずに身勝手だが、意外に収入面への注文は少ないという。食品配送を手掛ける東広島市の運送社長によれば「固定した休みがあるなら、どこかでバイトもできる(から給料が安くてもいい)というような若者が多い。信じられないし、そんな危険な人材を採用できるわけがない」と話す。

     地場仕事が中心の4トン車ドライバーの場合、毎月の給料が手取りで20万円を超える例は少ない。歩合給が幅を利かせる業界だけに仕方がない面もあるが、これまでなら「稼ぎたいドライバーの思い」にこたえるため、月間に数回の長距離を挟むなどしてきた配車も、厳しい労働時間の制約によって不可能になった。長距離の雑貨輸送がメーンの岡山市の社長は「働かせず、しっかり給料は払いなさい…役所が求めているのは、そういうこと」と苦り切った表情で話す。

     
     
     
     
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