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第143回:「消費税」で儲けようと…
2013年6月28日
消費税は、会社の資本金が1000万円以下であれば、設立した1年目は払わなくていいと決められています。この制度を利用して儲けようと考えた社長がいます。
考えるきっかけとなったのは、社長の会社の自社ビルを大改装するという話が出てきたことです。通常、自社ビルの工事は、会社と建築会社の打ち合わせから契約が結ばれて工事が始まります。しかし社長は、自分の会社と建築会社との間に建設業の許可を持つ新会社を設立し、社長の会社と新会社が改修工事の請負契約を結び、そして新会社と建築会社が改修工事の請負契約を結ぶことで消費税が浮く、と考えました。具体的に言いますと、例えば、新会社を設立してすぐさま社長の会社と請負契約を税抜き1億円で締結します。そして、新会社は建築会社との契約で税抜き9000万円で請け負いをさせます。新会社には1000万円の粗利が残りますが、何とか経費を使って節税する予定です。そして、新会社がもらう1億円にかかる消費税500万円と建築業者に支払う9000万円にかかる消費税400万円の差額100万円が、まるごと新会社の懐に入るというのです。
しかし、税務署はうまいことしています。その浮いた消費税は新会社の収益として扱われ、法人税がしっかり取られます。これを聞いた社長は大変ショックで、「建築価格が大きくなれば、浮いてくる消費税が増えて儲かるはずだったのに」と、苦労の割に儲けが少ない、この計画は今も停止したままです。
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