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    冷凍・冷蔵車の自動車税 奈良と広島大きな違い

    2013年9月24日

     
     
     

     「運送業は税金の塊」とも言われる。トラック本体には取得時に自動車取得税、車検時に自動車重量税、そして毎年、自動車税がかかってくる。この自動車税は地方税であるが、全国一律の税額で課税される。ところが、特殊用途自動車(8ナンバー)については、都道府県によって税額が異なる。事業者によってはこの差額を悪用し、1ナンバー車をカムフラージュして8ナンバーを取得して事業展開しているところもあるという。



     奈良県の運送会社社長が先日、高速道路のPAで、広島ナンバーの大型ウイング車の運転者に声をかけた。冷凍・冷蔵車の8ナンバーを付けているにもかかわらず雑貨を積載していたためだ。

     運転者から話を聞くと、食品など冷凍・冷蔵荷物は運んでおらず、雑貨中心に扱っているとのこと。冷凍・冷蔵車は冷凍機を装着し、断熱材も使われているので自重が重く、積載効率は悪い。その点を指摘すると、広島県の自動車税の内容について話してきた。

     自動車税は排気量、積載量、乗車定員などで税額が決まり、排気量に応じて税額が決まる乗用車に対し、トラックは積載量が増すごとに税額が上がる。1ナンバーと4ナンバーは47都道府県とも税額は同じであるが、8ナンバーでは異なってくる。8ナンバーは車体に改造を施した車で、パトカー、レッカー車、教習車など用途が限定される。トラックも冷凍・冷蔵車は8ナンバーが付けられる。しかし、トラックの場合、「トラック税率」が適用され、他の8ナンバーとは税額が異なる。

     奈良県では型式、積載量で税額は変わり、2トン車で1万2000円、4トン車で1万8500円、10トン車で4万3600円、13トン車で5万3000円。一方、広島県では、トン数ではなく種別で税額が決められる。小型車と普通車に分けられ、小型が1万2000円、普通が1万8500円。つまり4トン以上の積載が取れるトラックは1万8500円で済むことになる。

     自動車税の税額は条例で決まるが、8ナンバーに限っては都道府県の意向が強く反映されているようだ。奈良と広島でなぜこんなに税額に開きがあるのか。関係者によると、「広島では牡蠣の養殖が盛んだが、冷凍・冷蔵車に氷を積載して運搬すれば、実際の商品の積載量が大きく落ち込む。その事情を考慮して冷凍・冷蔵車の自動車税を低く設定しているのでは」と指摘する。

     PAの広島県のドライバーは、トラックの冷凍機は実際には中身はないとも説明。どうやら、その運送会社では積載量を確保するため冷凍機はサイドカバーの装着だけにしているとのこと。地域によっては自動車税軽減のために、一般貨物を扱う大型車の大半を8ナンバーにして一般雑貨を運搬して事業展開しているところもあるようだ。

     奈良県の運送会社も8ナンバートラックを動かすが、「燃料の高騰が続いており、少しでもコストカットできるものはしていきたい。自動車税が地域によって変わるのは知らなかった。いくら地方税といっても不公平すぎるのではないか」と自動車税のあり方に疑問を投げかけている。

     
     
     
     
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