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新トラック運送経営のヒント(最終回)機器の管理で危機を回避
2013年10月25日
「アルコールチェッカーによるチェックを不正に逃れていた」。九州のあるバス会社で判明した、何とも情けない話です。すでにこのバス会社に対する九州運輸局の監査は終わっており、法令違反があれば行政処分が下されます。
不正に逃れていたということですが、実際にはアルコールチェッカーにさすストローに細工をして同僚に身代わりをしてもらう方法や、ポンプで息を吹きかけた形にする方法だったようです。飲酒運転防止のためのアルコールチェッカーによるチェックは義務化されて2年以上経過しています。今更ですが、飲酒運転に対する意識の低いドライバーがいることが改めて浮き彫りになった形です。しかも、人の生命を預かっている旅客運送で、というのが驚きです。
つい先日も、中部地区のトラック運送会社が「飲酒運転による接触事故」をキッカケに国土交通省の監査を受け、厳しい行政処分を受けました。処分内容は、車両数58台が7日間の営業停止です。?多数の法令違反?による違反点数44点に基づく営業停止。つまり、飲酒運転だけで営業停止になったわけではないのです。あくまでも「飲酒運転」はキッカケに過ぎません。しかし、飲酒運転は「悪質違反」に当たります。
一般的に悪質違反の場合、通常の監査(いわゆる巡回監査)ではなく、特別監査になるため、より一層厳しく法令違反をチェックされます。
そのため、行政処分結果も厳しい内容になることが多いのです。今回のケースでも、仮に関係法令をほぼ守っている、ということであれば、ひょっとすると大した行政処分にならなかったでしょう。
運送会社の重要な安全管理の一つであるアルコールチェッカーによるチェック。機器を導入しただけでは、飲酒運転防止の役割を果たしません。
定期的なドライバーに対する教育。日々実際に適切にアルコールチェッカーが活用されているかのチェック。この二つをおろそかにしていると、ある日ある時、「事故や不正」の発覚で、一気に会社が窮地に追い込まれます。会社が「危機」に陥らないためにアルコールチェッカーの「機器」管理。
人間は誰でも弱さがあり、チェックが甘ければごまかそうとします。「信じながらも疑う」このマイナス思考がないと、安全管理は骨抜きになってしまいますね。
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