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トピックス
第162回:調査に備え赤字決算
2013年12月6日
個人事業から株式会社として法人成りして6年目の決算を迎える会社があります。株式会社となって第一期目の決算から、毎年連続してわずかの黒字決算をしてきました。
金融機関に提出する決算書が赤字では、融資の決裁がもらえず、資金繰りが苦しかったときには、借入金の元金返済を止めて利息のみの支払いにしてもらうこともあり、決算は必ず黒字でなければなりませんでした。しかし、6年目は赤字で決算をすることにした、と社長は言います。それは、社長が昨年から大変良い得意先を掴んだことによります。おかげで資金繰りが楽になり、金融機関への返済も楽になったことが理由の一つでもあるのですが、もう一つは、その大変良い得意先の社長から聞いた話が大きな理由です。
ある日、その得意先に所轄の税務署の特別チームが調査に来て、しつこく調べられたとのことでした。捜査令状は持っておらず、昔の映画であったマルサと呼ばれるものではなかったそうなのですが、その中で、社長の会社も取引があるので、きっちり資料を取って帰ったというのです。
そして一番驚いたのは、帳簿や請求書や領収書ばかり調べて、会社のパソコンに入っているデータは見ないだろうと思っていたのに、パソコンのデータもUSBメモリに移して持って帰ったというのです。
この話を聞いた社長は税務署が恐ろしくなりました。そして、金融機関に頼る必要が薄れてきたこともあり、税務調査に備えて赤字決算にしたと話してくれました。
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