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    パーキングで切り離すトレーラ不正 一つ手前のPAに置き去り

    2013年12月20日

     
     
     

    pa_1216.jpg 高速道路のパーキングエリア(PA)に、切り離された状態で放置されているトレーラ。兵庫県内の運送会社に勤める長距離運行も多いというドライバーは、「大型のサービスエリア(SA)も例外ではないが、(そうした光景は)売店もない小さなPAで見掛けるほうが多い」という。高速道路の利用事業を手掛ける協同組合の関係者によれば「従来と少し違った格好で不正通行を繰り返す連結車両の存在が問題になっている」と話し、大口ユーザーを対象とした割引の先行きに不透明感が漂うなかでの悪質行為に懸念を抱いている。



     ETCカードを利用した不正な通行は後を絶たない。複数枚のカードを所有し、それを抜き差しすることで500キロメートルを超えるような長距離区間を走破しながらも、わずか十数キロメートルという「1区間」分の通行料金で済ませてしまうなど、これまで驚きの手口の数々が表面化してきたのは周知の通り。協同組合に加入して大口・多頻度割引を受ける関係者らにとって、仮に、そうした不正行為が組合メンバーの仕業であればコーポレートカードの割引停止や、最悪の場合には利用停止になる可能性もあるだけにヒヤヒヤものだ。

     連結車両の構造を悪用した不正行為では数年前、SAやPAでトレーラを切り離していた西日本地区のドライバーが検挙された。関東方面から長距離運行の全線で高速道路を利用したにもかかわらず、目的地であるインターチェンジ(IC)の一つ手前のPAでトレーラを切り離し、トラクタだけで下車すれば長距離の区間は中型もしくは、大型料金の扱い。トレーラを置いたPAの直前となるICに戻って再び高速道路に流入し、トレーラを連結して次のICで出れば割高な特大料金は1区間だけで済むという手法だった。

     SAやPAで置き去りにされたトレーラを見掛けることもあるという前出のドライバーによれば、「大型のSAではキャンピングカーのような車両が目立つが、トイレしかないようなPAで営業ナンバーのトレーラが止まっている光景を不思議に思ったことがある」と話す。

     一方、組合関係者が打ち明ける新しい不正行為は「トラクタとトレーラをPAなどで切り離して高速代を安く済ませるという意味では従来と同じだが、いったん高速を出たトラクタが再び流入してトレーラを迎えに行くのが以前の方法。最近の手口は少し変化していて、出口ICの手前にあるPAでトレーラを切り離したトラクタが割安な料金で下車する点は変わらないものの、高速上に残されたトレーラは別のトラクタが迎えに行く」という格好。この場合も先例と同様に、特大料金を1区間で済ませるのが狙いと見られる。

     ETCブースには複数のカメラが備えられており、車両の前後を撮影していることから「出口ではトレーラがなくなっていた」というような不思議な光景が見過ごされることは考えにくい。道路会社でも「大口利用者向けのコーポレートカードは当初の段階で中型車か大型車かという点や、けん引車の有無や連結の頻度も参考情報として登録している。また、通過時に車軸を判別する機械が備わっており、入り口で『けん引あり』のデータが送信されたカードでは(トラクタだけで出ようとしても)出口のバーは開かない」(西日本高速道路・本社広報)と説明する。

     ただ、一般レーンを使った場合は即座に不正か否かを判断するのは難しい様子。「高速道路に長時間とどまっているような場合もバーが開かないことがあり、そうしたケースでは一般レーンを通ってもらうことになる。一般レーンの出口でも『けん引あり』の入り口情報は読み取れるが、ドライバーの自己申告で『最初から連結車両はない』といわれてしまえば、その場では実際にトレーラが連結されていないのも確か」(同)との実情を説明するとともに、今年から道路会社でも独自に「悪質性があるかどうかの認定作業を始めており、繰り返されているようなケースについては警察に相談することになる」としている。

     
     
     
     
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