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税務署と社保事務所が連携か ドライバーの収入減額の可能性
2013年12月24日
大阪市のある運送会社。「労基署と運輸局が連携しているが、今後は税務署と社会保険事務所も連携して、違法行為があれば是正してくると、担当の税理士が話していた」と明かす。同社では違法行為はないものの、過去にドライバーの給与を固定で20万円程度にして、それ以外の収入についてドライバー個人から会社に請求をさせて、請求してきた分を個人に支払うという方法で、社会保険料などの支払いを抑えていたと説明する。
ドライバーは本来、長距離輸送の収入を計算すれば50万円の給与が得られるのだが、社保の掛け金は収入によって計算されるため、それをまともに支払えば本人の負担も会社側の負担も増額してしまう。同社では、A氏に対して給与は20万円とし、あとの30万円の収入を個人取引として支払った。無保険とすれば本人の社保負担も会社側の社保負担も軽減できるため、頻繁に長距離運行を行っていた当時は、そのように支払いを抑えていたと話す。現在は長距離も大幅に減少し、法律に基づいた輸送を展開することでドライバーの収入も、多くて30万円程度と大幅に減少していることや、経理上の手間を考慮して、以前のような方法は行っていないと語った。
また、大阪府堺市のある運送会社でも、「税務署と社保事務所が連携すると税理士から聞かされた」という。同社でもドライバーが大型トラックやトレーラで長距離輸送を行っていた当時は、「収入が大幅に増加することから、ドライバーの給与を低額にし、あとの収入については個人の請求で支払っていた。しかし、大型のトレーラやトラックでの長距離輸送も減少してきたことや、コンプライアンスから、この方法は10年前にやめた。今でも社保の支払いを低額にするため、この方法を行うところも多いが今後、税務署が社保事務所と連携すれば個人の所得が明確にわかる。社保の保険料が増額する可能性も避けられないのでは…」と語る。
現在、全国各地での長距離輸送を行う府下のドライバーは「個人償却で長距離運行の月間収入が60万円以上ある。会社も法律に基づいて社保に加入しているので、掛け金が高額にならないように、現在も給与は20万円程度で、残りの収入分については個人で請求して源泉だけ引かれている状態。会社側から今のところ何も聞かされていないため、おそらく本格的に税務署と社保事務所が連携して社保掛け金を隠ぺいしていないか発覚しない限りは続けていくものと思う」と話し、特別な不安は今のところ抱えていない様子だった。
社会保険料が高額であるため、事業者によっては社員・個人で総収入を分けて、社保の掛け金を抑える方法を取るところも存在している。今後、税務署と社保の連携が本格的に行われれば、ドライバーの収入が減額する可能性も考えられるのではないだろうか。
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