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労務問題、規制恐れて… 過酷業務を身内で補う
2014年1月8日
ドライバー不足や労働時間、運輸行政による規制強化などから運送事業者では、年末の繁忙期でも法律を厳守しながら、どうにか乗り越えようと努力している。一般社員やドライバーには法律を厳守させたものの、経営陣をはじめ、その身内などは、この繁忙期を迎え、相当厳しい労働環境に置かれていたという事業者もいるようだ。
住宅建材の輸送を行っている大阪府のA社では、4月からの消費税アップに伴い住宅需要が増加し、さらに車両・ドライバー不足から、この年末は「猫の手も借りたい」ほど忙しく配送業務を行っていた。同社は社長の息子二人が役員を務め、後は一般社員のドライバー十数人で業務展開している。もともと息子二人のうち一人は大型トレーラに常時乗務し、もう一人は社内業務を行っているが、年末には二人ともトラックに乗務し、社長と事務員で社内業務をこなしてきた。
同社社長は「トラック(傭車)が不足しているため、トレーラに乗務する息子は、ここ1週間、会社に戻られず、本当に負担を掛けている」と話し、健康や家庭にも影響が出ないか心配している。社長は「ドライバーには過酷な業務は、法律的にも依頼にしにくいことから、身内で役員でもある息子が厳しい業務を引き受けている。当然、法律違反は承知であるものの、他人に頼めば労務問題につながる恐れもある。このため、タコグラフでも匿名で提出して違法であるが、過酷な運転業務に努め、会社の業務に一生懸命取り組んでくれている」と話していた。
さらに、「社員ドライバーなら業務が過酷になれば不平も出て、ほかで話す恐れもあるが、身内や役員については不満があっても、『自らの会社』との思いから、厳しい業務も我慢してこなしてくれる。法律や規制が強化されれば、役員や身内に負担が集中してしまう。繁忙期ではある程度、過酷な業務は行わないように、少しでも業務の負担をみんなで軽減できるような状態にしてほしい」と、規制強化で身内や役員に業務の負担が増加していることを漏らしていた。
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