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    健康管理の責任 高速バス事故の影響は

    2014年3月24日

     
     
     

    truck_0324.jpg 2012年の関越道での高速ツアーバス事故を受け、国交省は旅客に対する規制の厳格化と整備を進めてきた。背景にあったずさんな管理体制が教訓となったが、今回、決してずさんとは言えない事業者の管理下で高速バスが事故を起こしたことで、トラック業界にも衝撃が広がっている。ドライバー管理のさらなる規制強化を危惧する声が上がるなか、ドライバーの健康管理についてどこまで会社の責任とするのか、また、どこまで管理すれば事故は防げるのか…。人材不足が深刻となる中、バス業界だけでなく、トラック業界でも健康管理という難しい問題に直面している。



     今月3日、北陸自動車道小矢部川SAで2人が死亡する高速バス事故が発生した。ドライバーは衝突前に意識を失っていたとして、健康上の問題が原因とする見方もある。国交省は現在、地元県警と協力して監査を行っているが、「現状では悪質な法令違反は認められない」(自動車局安全政策課)としている。

     国交省によれば、ドライバーはSAS(睡眠時無呼吸症候群)検査で要観察と診断されたものの、医師からは乗務を許可されていたという。事故発生時のドライバーの体調や持病などについては現在、「司法解剖など、解明に努めている」としている。ただ、今回の事故は関越道バス事故とは違い、ずさんな管理体制は指摘されていない。それだけに、業界への影響を懸念する声も上がっている。

     トラック業界では、貨物自動車運送事業法第3条の6で「貨物自動車運送事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、運行に危険があると認められる場合は乗務させてはならない」とされており、具体的には「健康管理マニュアル」に、雇い入れ時及び定期の健康診断や、その後のフォローについて定められている。

     埼玉県草加市の事業者は、「試用期間に仕事ぶりとやる気を見て、本採用するときに健康診断に行かせている」と言うが、それでも「すぐに辞められれば、会社にとっては手痛い出費なので考えてしまう」と打ち明ける。同様の理由に加え、「即戦力の必要に迫られて雇用しているので、まずは走ってもらいたい。健康診断は後回しになりがち」と社内の事情を話す事業者もいる。

     一方、健診後のフォローアップについては、「要観察等の者については、かかりつけ医を受診させ、診断書を提出させている」という埼玉県の事業者や、「点呼票に所見や持病を転記して管理している」という事業者もいるが、いずれも「健康上のリスク低減よりも行政の監査対応」として取り組んでいるのが実情だ。「健診は予防の領域。どこまでやれば良いのか」と疑問の声も聞かれ、「何かあった時のための自衛という位置づけにならざるを得ない」と、本音が漏れる。また、「健康面に多少不安があっても乗せざるを得ない」という人材不足にあえぐ業界事情も重なり、「健康管理がおろそかになる点も否定できない」と話す事業者もいる。

     厚労省発表の平成24年度健康診断所見(産業別)によれば、陸上貨物輸送の所見率は全産業の平均より5ポイント余り高い57.8%となっている。ドライバーの偏りがちな食生活や不規則な生活、運動不足などを憂慮する事業者の声も聞かれるように、かねてドライバーの健康管理は課題となっている。国交省では今後、トラック事業者に対しても「乗務の中止や早期治療といった対応の目安としてもらう」目的で、「医学的知見から、事故に関わるような急病や発作の予兆についてまとめ、ホームページなどで発表する」とし、今年度中に取りまとめる予定だ。

     今後、世論の動向によっては医学的見地からのしばりが加わるなど、ドライバー管理にさらなる規制が設けられる可能性も否定できない。それがさらに人材不足になりかねないだけに、動向が注目される。

     
     
     
     
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