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退職した配車担当者の危険性は?
2014年4月14日
人手不足の影響でドライバーだけでなく、配車担当者を求める運送事業者も多い。配車担当者は荷主からの運賃や傭車に支払う運賃など、その会社の仕事内容などを熟知しているため、その人材が同業他社に移ることがあれば、運送事業者が窮地に立たされることも予想される。
大阪市の運送A社は昨年11月、不審な行動をとっていた配車担当者を退職させた。同社社長は、その理由について「傭車先からキックバックを得ていたという情報があった。本人に確認したところ、『もらっていない』と言うが、それでも特定の傭車に対して高額な運賃を支払っていたようだ。こういった背景から退職してもらったがその後、業種の異なる別の運送会社に転職した。そこでも配車担当を行っており、当社の荷主に対して運賃を下げてアプローチをしてきた」と話す。A社の荷主からも「同配車担当者が別の運送会社に転職し、当社に営業を行ってきている」との報告はあった。荷主企業も長年の取引先であるため、あっさりとはアプローチを受けなかったようだが、一部の荷物を流しているようだ。同社としては歯がゆい状態で、A社社長も「何とかこの配車担当者のアプローチを阻止したい」と話している。
また、同市内の運送B社でも「過去に、配車担当者が傭車先からキックバックを得ていて退職させたことがある。傭車先のドライバーからキックバックを求められていることを聞き、本人に確認したが認めなかった。しかし、これ以上信頼できないため退職してもらった」という。しかし現在、この配車担当者は他社で配車担当を行っており、幸い荷主企業を荒らされることはなかったものの、様々なところに同社のでたらめな情報などを流されたようだ。
「配車担当者は会社の仕事内容から運賃、ドライバーの人数、荷主の取引先などを知り尽くしており、、配車担当者を失うことは会社に取って非常にリスクが高い。配車担当者にすべてを任せるのは避けて、やはり経営者の目の届くところで配車を行わせることで、大きな損害や違法行為は避けられる。当社も現在は、絶対に目の届く場所で配車を行わせており、さらに不審な運賃支払いについては理由を確認するなど、完全には任せないようにしている」と語った。
現在は深刻な人手不足で、配車担当者を他社にヘッドハンティングされることも考えられることから、日頃の適切な管理と対応が重要となってくるようだ。
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