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    運賃アップ交渉 成功の切り口は

    2014年4月23日

     
     
     

     需給バランスの変動による波はあるものの、運賃は依然として低水準のままだ。その一方、食品を取り扱う神奈川の事業者は、幾度となく値上げ交渉に成功している。その秘訣は、トラック輸送の厳しい現状を伝えながらも、一般の目線に立って語りかけることにあった。そしてその裏には、社員の労働環境や待遇をより良くしようという、同社副社長の思いがある。



     この会社の副社長が自社センターを見回りに行ったとき、ドライバーが仕事のために子どもの卒業式に出席できなかったことを知った。会社規定として、あらかじめ申請しておけば休めるようになっているが、コース便の7台に割り当てが7人であるため代わりがいない。1人50店舗を受け持ち、ドライバーは自分で効率の良いルートを考え1日約20店舗をまわるという。惣菜は種類が多く細かい仕事で、取り扱う量も多い。自分が休むことで仕事が回らなくなることをドライバー自身もよく理解していた。

     これでは社員のためにならないと、副社長は決断した。「いっそのこと2台やめよう」。荷主と交渉し、7人で5台を回せるようになった。それだけでなく、仕事の難易度が高いということで運賃単価も上げてもらった。

     その後、さらなる値上げに成功している。しかも荷主側から申し出があったというのだ。1日14時間の仕事で、決して高いとは言えない運賃。もともと条件は厳しかった。副社長は丁寧に説明した。「100人分の仕事があって、急に5人欠員が出たとする。すると会社は95人分の仕事しか受けきれず、5人分は別のところから労働力を引き出さなければならない。万一、このような状況に陥ったとき、矢面に立つのは御社ですよ」と。

     以前、同社が減車した2台は、荷主側が自分で調達して配送を行っていた。実際にやってみて難しい仕事だということがわかったからか、副社長の言葉を受けて不安に襲われたからか、「仕事が回らなくなってしまうので、5台はしっかりとお願いします」と頼み込まれたと同時に、運賃アップを提示されたという。

     しかし、副社長は「そうはいっても、いつ状況が変わるか分からない」とぶれない。場合によっては手を引く可能性もあるということを?副社長が言っている?と、各営業所の営業担当には折に触れて言うよう促しているそうだ。

     4月以降の運賃改定について、1月の時点で全営業所に取引先に提出するよう指示し、交渉に成功した営業所は1000?2000円程度上がったという。「運賃が安いので上げてくれ、燃料費が高いのでサーチャージを、という言い分は、相手の儲けのために協力しなければいけないというようにもとれる。荷主にとっては一方的で、正直、何度も言われて聞き飽きているのではないかと思う」と副社長。交渉のポイントは、自社の抱える問題が荷主にどう関わってくるのか、世間一般の目線で話すことにある。「社員の労働環境や待遇をよくするために協力してほしい」「運賃を上げてもらわないと、輸送の安定は厳しい。だからこうして泣く泣くお話しに伺った」というように、大切なのは、運賃アップが必要な理由を明確に示すことなのだ。

     取引先によって交渉の切り口を変えることで、格段と交渉はしやすくなる。アイデアと行動力、そして粘りの姿勢で単価は上げられるという希望を、同社の動きに見た気がする。

     
     
     
     
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