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    運送サービス、供給に限界 運賃・条件改善が随所に

    2014年6月25日

     
     
     

    souko_0623.jpg トラック運送事業者にとっての運送条件の改善や運賃の下げ止まり、さらには引き上げが、多くの事業者の口から聞かれるようになっている。荷物の搬入条件の改善では、単純に荷主自身の合意だけで済むわけではなく、荷主がその納入先との交渉を経て実現するものでもある。運送サービスの供給には限界があることが産業界に印象付けられてきたことが背景にあると考えられる。



     機械部品などの物流が主力の兵庫県内の事業者は、荷主に対して運送原価の算出などができる資料を4月頃に提出した。提出は実に10年以上ぶりのことだ。製品の倉庫なども兼業しているため、出荷には自社車両だけでなく傭車も使う。3月末、トラックが融通できず、4月初旬まで出荷がずれ込んだ。こうした経緯を荷主に説明するために出した資料のなかに、原価算出に関わるものも含まれていた。

     従来、請求書を荷主に見せた段階ではねられていた高速道路料金などの請求項目で変化が起きた。同社社長は、「荷主からの修正が全くなくなった。運賃に占める原価構成のそれぞれの項目でチェックするという姿勢から、トータルのチェックの仕方に変わったのだと思う」。実質の運賃上昇を事業者は、出荷のずれ込みに追い込まれた状況がもたらした「功績」ととらえる。

     メーカー荷主から直に物流部門の作業などを任されている別の事業者も、今春から5%程度の運賃上昇が聞かれる。長距離のトラック出荷も多く、繁忙期の車両確保のためには常日ごろの運賃改善を傭車にも確保しておかねばならないといった事業者の声をメーカーが採り入れた形だった。

     荷主だけでは判断のつかない運送条件での改善も見られる。百貨店への販促資材の搬入を請け負う近畿地方の事業者は、店側の閉店時間以降の納品を余儀なくされていた。昼間の別の仕事を終えてからの夜間の作業は、乗務員の労働時間管理の面から問題があると事業者は見ていたが、これまで改善できていなかった。

     今春からは夜間に一斉に納品する形ではなく、夕方から少量を小分けして納品する形が認められた。事業者は、「断らずに何でも仕事を請け負うウチのスタイルの限界だった。受け入れられたことにより、乗務員の残業時間もグッと抑えられた」と話す。

     条件改善はなくてもその分、運賃が引き上げられた事例もある。北陸方面から近畿地方に納品するメーカーの輸送業務を昨秋から委託された事業者は、やはり傭車確保の名目で運賃の引き上げに成功している。出荷時間帯の改善提案もしてきたが、納品先にあたるメーカーの都合がどうしてもつかないことから提案は実現しなかった。代わりに認められたのが運賃の約10%引き上げだった。それでもこの事業者は、「数字だけを見ると引き上げだが、これまでの条件が悪すぎた。元に戻す過程の一環に過ぎない」と話す。

     
     
     
     
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