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    運賃値上げで人材確保を 賃金アップで呼び込み図る事業者

    2014年9月24日

     
     
     

    truck2_0922.jpg 大型トラック・トレーラを主体に運行する運送事業者では、1か月1万?超の走行で燃料費は50万円から70万円に上り、高速代などを含めれば80万円から100万円の運行費が必要となる。売り上げが130万円から150万円では「ドライバーに思うような賃金も支払えない」という。人手不足に悩む運送事業者は、どうにかして自社にドライバーを呼び込みたいが、十分な給与が支払われなければ難しく、荷主に運賃の値上げを要請するものの、いまだに値上げが認められていないところもある。そんな中、運賃値上げに応じない荷主にはシビアな考えで配車を計画するという運送事業者も増えているようだ。



     大阪府堺市の運送A社では、「大型トラック・トレーラ共にスポット傭車に関しては荷主と交渉し、2、3割の運賃値上げに成功した。その値上げ分で賃金値上げを行い、大型トレーラのドライバーにも40万円を超える賃金を払えるようになった」と話す。

     しかし一方で、「専属傭車に関しては荷主からの理解がなかなか得られない。荷主企業の現場の担当者からは今後の繁忙期を迎えた際の車両不足を懸念する声が聞かれ、運賃値上げに理解を示しているが、荷主企業の幹部役員は『極端な車両不足は発生しない』とし、われわれ運送事業者や現場の担当者の意見に全く耳を傾けない。専属に関しては安定的に配送を任せているので、運賃値上げは認めてもらえない」と説明する。

     しかし、A社は荷主に対して労組などで常に訴えられている2015年には14万人のドライバー不足が予想されていることを伝え、今後深刻なドライバー不足の波が来ると訴えるものの、「荷主はどこ吹く風と言わんばかりの態度。もっと業界が人手不足や車両確保の困難を理由に、荷主企業に運賃値上げは必至であるということを訴える必要がある」と強く求めていた。

     また、同市の大型トラック・トレーラ・4?など数多くの車両を運行させる運送B社は、「燃料価格の高騰で利益が得られず、赤字運行になることもある。当社では現在、新規荷主開拓も行っており、運賃の安い仕事から撤退して運賃の高い仕事を選んで動いている」とし、「紹介であっても運賃の安い仕事は断っている。一部の商社では車両不足であることから、車両を豊富に保有している運送会社を確保するために、高い運賃で取引するところもある。これからは荷主が運送事業者を選ぶのではなく、運送事業者が荷主・運賃を選んで運ぶ時代が必ず来る」と語り、長い取引実績のある荷主企業であっても運賃の安い仕事は断り、新規の取引であっても高い運賃の仕事を優先しているようだ。

     燃料費が高値止まりする中、安い運賃で走り、売り上げの3分の1以上の経費が掛かることでドライバーへの賃金も低くなる。運送業界の深刻な人手不足、ドライバーが集まらないという悪環境を打開するためには、燃料費の高値止まりを考慮した運賃の大幅な値上げが必要かもしれない。

     
     
     
     
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