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    同業者を陥れる?怪文書?コンビニから匿名送信 迷わず告訴へ

    2014年10月15日

     
     
     

    kokuso_1013.jpg 「絶対に許せない行為。示談に応じる気はない」――。岡山市の運送会社を名指しにした怪文書が9月下旬、同社の取引先や行政機関、トラック協会など複数の相手先に向けて相次いでファクス送信されるという事件が発生した。いずれも発信元として同市内のコンビニエンスストア名が刻まれており、発信者は匿名で「同社の一ドライバー」とある。内容は内部告発の格好になっているものの、「事実無根の誹謗中傷」を被ることになった同社の社長は激怒。社内調査で内部の犯行ではないことを確認したうえで、5日後の同30日に地元警察署へ告訴状を提出。まもなく「示談」の申し入れが届いたが、驚いたことに犯人は同業の地元トラック事業者だった。



     怪文書には「この会社のひどい実態」として「1日16時間労働はざらで、残業代は未払い。疲労で何回も重大事故を起こしそうになりました。改善を申し入れても聞く耳を持ちません」という自らの厳しい労働環境を訴えると同時に、「社長は我々を低賃金で働かせ、自分は1000万円以上する高級外車を乗り回し、仕事とうそぶき、公私混同して会社の金で飲みまわっています」という2点を?暴露?。そのうえで「社会正義に反する不正をあばいて社長だけが得をするブラック企業を取り締まってください」と訴えている。

     同社長が怪文書を知ったのは、「こんなものが届いている」と複数の関係先から問い合わせがあったため。「そんなバカな内容を信じる取引先があるとは思わない」という社長だったが、確認のために社内を調査。当然ながら全員が無関係で、「運輸支局からも『そんなもので(監査に)動くことはない』といわれた」という。ただ、怪文書が流れた翌日(同26日)に「労基署が監査に来ることになったのが、ひょっとすれば(怪文書と)関係していたのかもしれない」と推し量る。

     社内に犯人がいないかを念のために確認する前から、社長の脳裏には「業務上でトラブルになっている運送会社」の存在がチラついたというが、「いずれにしても悪質な行為は白日の下にさらす」として「業務妨害」「名誉棄損」で告訴。告訴状では被告訴人を「氏名不詳」としているものの、告訴に至る経緯のなかで「被告訴人は、競合業務の会社代表者もしくは従業員と思料される」と指摘した。

     また、怪文書にある「16時間労働」「残業代未払い」「何回も重大事故」「改善を申し入れた」といった記述がまったくの虚偽であると同時に、コンビニの防犯カメラを解析すれば犯人の特定が可能と示唆。「1週間分しか残存していない」というカメラ映像の早急な確保も求めた。

     「すべてが許せない行為だが、労務管理が難しいトラック業界の事情を熟知する同業者の犯行であるうえ、ドライバーをかたってライバル会社の足を引っ張るという手口が最悪だ」と社長。また、怪文書の末尾には「学歴がないので、他の方に依頼して書いてもらいました」との記述があり、これにも社長は激怒。「完全にドライバーをバカにしている。この程度の文章は、だれにでも書ける」と吐き捨てる。

     「うちの会社にも以前、もっと稼ぎたいという2人のドライバーがいて、一般道を走って浮かせた高速料金を本人に還元するという仕組みを採用したこともあったが、コンプライアンスの問題で廃止した」と打ち明ける社長。年を追うごとに厳格化する労務管理と真剣に向き合ってきただけに、「中傷で同業者を蹴落とそうとする行為は許せない」と指弾する。

     告訴状の提出から3日後、同じく市内に本拠を構える運送会社から「示談の申し入れがあった」と社長。そのうえで「いまのところ応じる気はない。場合によっては同業他社の経営に大きなダメージを生じさせたかもしれない最悪の犯罪。そう簡単に許せるものではない」と容赦ない姿勢を見せている。

     
     
     
     
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