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    運行記録計の装備義務拡大「車両総重量7?以上」各社の対応は

    2014年10月29日

     
     
     

    digi_1027.jpg 営業車による死亡事故や重傷・軽傷事故が、いまだ多発していることや、中型車での長距離・長時間輸送が比較的多いことなどから、来年4月からの運行記録計の装備対象車が拡大する。現行の車両総重量8?以上の大型トラックに加え、同7?クラスでも運行記録計の装備が義務づけられる。当面は新車のみの装備義務となるが、各社が今後どう対応していくのか、事業者に話を聞いた。



     国交省の資料によると、事業用自動車の交通事故は、全体では減少傾向にあるが、トラックの交通事故件数は近年ほぼ同じ水準で推移している。

     車両総重量8?超の大型車に対する様々な規制の適用や、高速道路の通行料金の適用などの問題を背景に、中長距離輸送で同7?クラスの車が多用されている。また、事故発生率は同7?車を境に発生率が高くなっており、今回の義務化拡大につながったといえる。

     大阪市都島区の事業者は「現状では運行記録計をつけていないが、今後は労務問題の観点から重要になってくるのではないか。労働時間も明確に判明するので、行政処分を受ける前に自社の状況をはっきりさせておいたほうが良い。しかし、いざ装備となるとコストがかさむので、少しでも安価で高品質な運行記録計の発売を望む」と話す。

     現在、国交省では国交大臣に認定されたデジタコの取得にかかる経費の3分の1を補助するとともに、今年3月に発生した北陸道のバス事故を踏まえ、「過労運転防止のための先進的な取り組みに対する支援」にかかる補助対象機器の拡充を行っている。

     一方で「4?車にも記録計をつけるとなると、会社がつぶれてしまう。お金の問題もあるが、それよりも仕事上、労働時間が守れないことが問題。どうしても売り上げを上げようと思うと、ドライバーに無理してもらわないといけない。ドライバーに努力してもらって今の売り上げが保たれているので、この先のことが思いやられる」と、不安を口にする事業者もいた。

     また、大阪市天王寺区の事業者は「運行記録計が今後、新車以外にも装着を義務付けられれば、荷主に運行記録を提出し、法的に無理な運行を具体的に示すことができ、改善へのきっかけづくりになるのではないか。業界の悪い部分が改善されることを望む」と、運行記録計の義務化で運送業の業態改善を望む声もあった。

     安全運行以外の目的で全車に導入している、大阪府高槻市の事業者社長は「燃料価格が高騰していることもあり、運転状況をチェックして少しでも燃料代を節約しようと運行記録計を活用している。また、ドライバーの意識改革のためにもデジタコは必要だと感じる。GPS機能を追加し、ドライバーの動きを確認している。以前は、荷物を持ったまま逃げるドライバーがいたが、導入後はそのような事例は全くない。導入は正解だった」と運行記録計を有効に活用する事業者もいる。

     今年4月には名神高速道路の逆走事故で、事故を起こしたバスの運行記録計には用紙が設置されておらず、バス会社のずさんな管理体制が明らかとなり、事故を起こした会社は廃業に追い込まれている。何よりも営業車にとって安全運転のためには、時流に伴って運行記録計が必要になってくる。

     なお、当分はデジタル・アナログどちらの運行記録計も使用可能だが、技術の急速な発展、ニーズの高度化、さらなるコスト削減の要請などを踏まえて、次世代のデジタコのあり方についても検討される予定となっている。

     また、デジタコに連動するドライブレコーダーや運行管理システムなどについても実用化・普及させるための検討を行い、平成28年4月からは新車以外にも運行記録計の装着を義務づける予定だ。運行記録計の義務化拡大を機に、健全な運行体制を確立していくべきだ。

     
     
     
     
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