「船会社の約款などを見れば、トラック運送業者が荷主に対して、いかに弱いかが分かる」。海上輸送との結節役でもあるコンテナ陸送が主力の事業者の指摘だ。同じ荷主に対して、船会社ならば当然に主張できることが、トラック事業者では通らない現実を前に、各種資料にも当たってきた。荷主との契約自由の原則を曲げて作られた「標準約款」が事実上の市場の秩序作りを良くも悪くも果たしてきたとして、再考を求めている。

　「例えば、天候の悪化で目的地にまでたどり着けないとき、船ならば最も近い港に陸揚げすることができる」。事業者は、トラック運送にはない取り決めとして、船会社の約款の一部を指摘した。標準内航運送約款は13条で、「陸揚港以外の場所の荷揚げまたは積み戻し」に関して規定する。標準外航運送約款では、そうした船会社の判断規定に加え、不測の事態には「いかなる港または場所においても陸揚げ」し、そこまでの業務によって「契約の完全履行」とみなす規定がある。（詳しい内容は、物流ウィークリー５月４日号に掲載しております）